2023年3月13日 – 第95回アカデミー賞受賞者が発表されました。作品賞は、『EVERYTHING EVERYWHERE ALL AT ONCE』が作品賞、監督賞、編集賞、主演女優賞(Michelle Yeoh)、助演男優賞(Ke Huy Quan)を含む7つのアカデミー賞を受賞しました。
他にも数々の賞がありますが、ここでは作品賞を受賞した『EVERYTHING EVERYWHERE ALL AT ONCE』、VFX部門の受賞作品とノミネート作品のVFXに関する動画を紹介したいと思います。
EVERYTHING EVERYWHERE ALL AT ONCE
『EVERYTHING EVERYWHERE ALL AT ONCE』において、視覚効果チームは、VFX部門に直接ノミネートされたわけではありませんが、重要な役割をはたしています。
この作品では、5人のメインアーティストが、VFXショットの80%以上をAdobe After Effectsで作成しました。そのなかで、BorisFXのMocha ProとContinuumプラグインが使用されているようです。
AVATAR: THE WAY OF WATER
『Avatar: The Way of Water(邦題 – アバター:ウェイ・オブ・ウォーター)』(Joe Letteri、Richard Baneham、Eric Saindon、Daniel Barrett)がアカデミー視覚効果賞を受賞しました。『アバター』の続編であり、全5作からなるアバターシリーズの2作目にあたります。前作から13年もの時を経て流体シミュレーションやレンダリングが大幅に強化され、キャラクターだけでなく背景の水や炎の挙動まで緻密に描写されるようになりました。
Wētā Fxの過去最大規模のVFXプロジェクトとされており、3,240ショット(本編の98%)、2,225ショットで水が表現されています。Wētāの課題はシンプルで実写のキャラクターと自然に融合し、感情移入できるデジタルキャラクターを、フォトリアルなCG環境で制作することだったといいます。そのために、新しい水と顔のアニメーション技術と、より高度なバーチャルプロダクションワークフローが必要となり、カメラ内でのリアルタイム深度合成、水中でのパフォーマンスキャプチャ、Lightstorm Entertainmentと共同開発した新しいパフォーマンス駆動型ケーブルカムアイライン(performance-driven cable-cam eyeline)システムなどが導入されました。次の動画では、その技術を垣間見ることができます。
ALL QUIET ON THE WESTERN FRONT
『ALL QUIET ON THE WESTERN FRONT(邦題:西部戦線異状なし)』(Frank Petzold、Viktor Müller、Markus Frank、 Kamil Jafar)は、エーリヒ・マリア・レマルクによる1929年の同名小説を原作とした2022年のエピック・反戦映画です。ドイツ語で製作され、2022年10月28日にNetflixにより全世界独占配信されました。Netflixでは、VFX スーパーバイザーの Frank Petzold氏によるVFX の舞台裏が公開されています。
また、UPPからもブレイクダウン動画が公開されています。
THE BATMAN
『The Batman(邦題:THE BATMAN-ザ・バットマン-)』(Dan Lemmon、Russell Earl、Anders Langlands、Dominic Tuohy)『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は、DCコミックスの「バットマン」に基づくアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画で、バットマン映画フランチャイズのリブート作品に当たります。コロナ禍で当初予定していた2021年6月の公開から2度延期され、2022年3月4日に米国で公開されました。
こちらは配信を行っている HBO Maxからメイキング動画が公開されています。
VFXは、WetaFXやIndustrial Light&Magic、Scanline VFXなどが手掛けているようです。ブレイクダウン動画は今のところ見当たりませんでしたが、WetaとScanline VFXは、担当したVFXのショーリール動画を公開しています。
BLACK PANTHER: WAKANDA FOREVER
『BLACK PANTHER: WAKANDA FOREVER(邦題:ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー)』(Geoffrey Baumann、Craig Hammack、R. Christopher White、Dan Sudick)は、マーベル・コミックのスーパーヒーロー、ブラックパンサーをベースとした、2022年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画です。
VFX制作には、Digital Domain、Cinesite、Industrial Light&Magic、Rise、Scanline VFX、 Storm Studios、WetaFXなど多くのスタジオが参加しているようです。Marvelからのメイキング動画を始め多くの動画が公開されています。
TOP GUN: MAVERICK
『TOP GUN: MAVERICK(邦題:トップガン マーヴェリック)』(Ryan Tudhope、Seth Hill、Bryan Litson、Scott R. Fisher)は、2022年公開のアメリカ合衆国のアクション映画で、1986年の『トップガン』の36年振りの続編となります。実際に空中で撮影した実機映像を売りとしているこの作品では、VFXはMethod Studios、MPC、Lola VFX、Blind LTDが手掛けています。それぞれのスタジオからの動画は公開されていないようですが、制作配給会社のParamount picturesからメイキング動画が公開されています。
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