2023年2月28日(現地時間) – InstaLODは、 InstaLOD Studio、InstaLOD Pipeline、InstaLOD Gridといった同社のコア製品の最新アップデートのリリースを発表しました。また、同時にSDKの新しいライセンスモデルも発表しています。
InstaLOD について
InstaLODは、ドイツのシュトゥットガルトを拠点とする InstaLOD GmbH が開発、販売する3Dデータの最適化や変換を自動化し、大規模なコストと時間の節約を実現するソフトウェアです。このソフトウェアは、ロサンゼルスで開催されたSIGGRAPH 2017で初めて紹介されました。
主な機能
- ポリゴン最適化:InstaLODは、数百万ものポリゴンを含む大規模なデータセットを操作する場合でも、高速でポリゴン最適化を実現します。
- リメッシング:InstaLODのマルチ解像度リメッシャーは高速でメモリ効率がよく、数百万ものポリゴンのビッグデータでも簡単に処理できます。
- ドローコールリダクション:シーンをレンダリングするのに必要な描画呼び出しの量を減らすことは、完璧なエクスペリエンスを実現するのに重要です。InstaLODは、複数のマテリアルテクスチャを単一のマテリアルテクスチャに結合することによって描画呼び出しを減らすことができます。
- CADのインポートとテッセレーション:ネイティブとポータブルの両方のファイルフォーマットに対して、堅牢なCADインポートとテッセレーションが利用可能です。InstaLODのCADライブリンクにより、シーンが完全にロードされた後でも、アセンブリの特定のパーツを選択的に再テッセレーションすることができます。シーンインポートルールにより、巨大なアセンブリを処理することが可能です。
- オクルージョンカリング:見えないポリゴンを削除することは、複雑なジオメトリやシーンをレンダリングするときにスムーズな操作を体験を実現するの重要なワークフローの1つです。InstaLODは、完全自動で拡張性の高いオクルージョンカリングエンジンをサポートしています。複雑なシーンやアセンブリを軽量なアセットに変換することで、納品までの時間を短縮することができます。
- ImposterとFoliage:foliageにスタンドインジオメトリを使用することは、広く採用されている手法の1つです。InstaLODは、ボタンを押すだけで、個々のオブジェクトやシーン全体の優れたImposterを簡単に作成することができます。AABB、ビルボード、フリップブック、カスタムジオメトリ、ハイブリッドビルボードクラウドといった多種多様なimposterタイプの作成をサポートしています。
- ベーキングとUVツール:InstaLODは、メッシュ処理のための多用途のツールキットであり、自動UVのアンラッピングやパッキング、ノーマルの一致、穴の自動充填などのアルゴリズムも含まれています。また、最新のテクスチャリングやレンダリングワークフローに必要なすべてのテクスチャを生成する、バッチ可能な高解像度ベイクソリューションが付属しています。
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製品ラインナップ
次のような製品ラインナップがあります。オプションとしては、InstaLOD Studioをクロスプラットフォームの3D処理環境として使用するか、InstaLOD Pipelineで中央データソースを構築するか、InstaLOD SDKで独自のアプリケーションを開発するかです。また、Maya、3ds Max、Vred、Blender、Unreal Engine、Unity 用のプラグインも用意されています。
■InstaLOD Studio
InstaLOD Studioは、3Dデータの処理を行うための総合的なプラットフォームです。ジオメトリの最適化やテクスチャのベイキングなど、さまざまなタスクを簡単に行うことができるグラフィカルなユーザーインターフェイスを備えています。物理ベースのレンダラーでコンテンツを描画し、InstaLODのテクノロジーを使用した機能に直接アクセスすることができます。
■InstaLOD Grid
InstaLOD Gridは、3Dデータの準備や処理に関するいくつかの課題を解決するために、組織内に簡単に構築できるオンプレミスのコンピューティングクラスターです。追加の費用やアプリケーション固有のトレーニングなしに、すべての従業員にInstaLODのウェブアプリケーションを利用してデータを処理させることができます。
■InstaLOD Pipeline
InstaLOD Pipelineは、グラフィカルユーザーインターフェースを使わずに、3Dモデルやシーンのバッチ処理を行うことができるクロスプラットフォームのコンソールアプリケーションです。JSONを使って最適化プロファイルやバッチを指定することで、複雑なバッチ処理を数分で設定することができます。
InstaLOD Pipelineを使うと、自動化やデータ準備のプロセスをアセットパイプラインに導入したり実装したりすることが非常に簡単になり、数百や数千のモデルの大量のデータやバッチを、バックグラウンドで完全に自動化して処理することができます。また、InstaLOD Pipelineは、InstaLOD Studio XLやInstaLOD SDKとの相互運用性があり、多様なプラットフォームやツールに対応しています。
■InstaLOD SDK
InstaLOD SDKを使うと、カスタムツールやテクノロジーを持つOEMやISVが、既存のソフトウェアにInstaLODのテクノロジーをシームレスに統合することができます。
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新機能ハイライト
InstaLOD 2023リリースには、クアッドリメッシング、アイソトロピックリメッシング、GPUベースのテクスチャベイクソリューションなど、多くの新しいコア機能が含まれています。
- InstaLOD C++ SDKのユーザーは、符号付き距離場(signed distance field)の計算から、凸包(convex hulls)の作成、メッシュのボクセル化または構成ソリッドジオメトリ操作の迅速な実行まで、幅広い新機能にアクセスできます。
- InstaLOD Gridの新機能は、ブラウザ内でのアセットプレビューなどのワークフローの改善から、アイデンティティやタスク管理などのパワーユーザー機能まで多岐にわたります。さらに、新しいファーストパーティーのCADファイルフォーマットのサポート、既存のインポーターの改善、新しい画像エクスポートオプションなどが追加されています。
- InstaLOD StudioとInstaLOD Pipelineの両方にPythonスクリプトを統合することで、開発者はInstaLODの処理能力を多くのレベルで拡張できるようになりました。
InstaLOD Studio 2023の再設計と最適化されたスタンドアロンアプリケーションから、InstaLOD Gridによるアセットレビューとタスク管理の重要な改善、一般的なコンテンツ作成ツールの統合の改良まで、InstaLODソフトウェアスイートのすべての製品部分が改良されているとのことです。その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格について
InstaLODの購入にはお問い合わせが必要となっています。詳細はライセンスページへ
また、すべての個人または組織は1年間のノードロックシートライセンスが無料で利用できるようです。商用製品やプロジェクトであっても、制限なくInstaLODの技術を使用することができます。ただし、より多くのライセンスでInstaLODの使用を拡大したい場合は、追加ライセンスを購入する必要があります。無料ライセンスに複数回サインアップすることは禁止されています。申し込みはこちらから
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