2023年3月2日(現地時間) – Unityは、Ziva VFX 2.1 のリリースを発表しました。
Ziva VFX とは
Ziva VFXは、映画やゲームなどの3Dキャラクターを作るときに使われるMaya用のプラグインで、柔らかい組織(筋肉、脂肪、皮膚など)の動きをシミュレーションすることができます。シミュレーションがもたらすキャラクター変形の細かいディテールやニュアンスにかかる時間を短縮するのに役立ちます。
詳細については、以下のUnityのブログをご覧ください
https://blog.unity.com/ja/industry/ziva-for-animation-simulation-and-machine-learning-workflows
新機能ハイライト
今回の2.1へのアップデートでは、シミュレーションの品質と一般的な使いやすさという点が改善されました。他にもMaya 2023をサポートするだけでなく、多くの機能改善とバグフィックスがあります。この中には、より優れた衝突検出と応答ソリューションも含まれており、解答時間を犠牲にすることなく、より正確で堅牢なシミュレーションを作成することができます。
■iterative solver が改良され、すべてのインテグレータータイプをサポート
バージョン2.0で実験的な機能として導入された iterative solver (反復ソルバー)では、Inertial damping 属性を持たない Backward Euler integrator (後退オイラーインテグレータ) のみがサポートされました。
このリリースでは、4つのインテグレータの種類とその中で Inertial damping 属性がすべてサポートされています。これにより、反復ソルバーが直接ソルバーと同等の機能を持ち、同じシミュレーション結果を得ることができるようになりました。
■Continuous Collision Detection(連続衝突検出)メソッドが適用されるように
2.1では、より正確な衝突検出結果を提供するために、Continuous Collision Detection (CCD) メソッドが導入されました。このCCDを衝突検出フェーズに適用することで、シミュレーションの品質が向上しました。
CCDは、頂点の過去と現在の位置を補間して接触点を検出する方法です。従来のDCD(Discrete Collision Detection)方式では、頂点の貫通を検出し、表面への最接近投影によって接触点を見つけるため、貫通が深くなりすぎるとトンネルスルーが発生していました。
この変更により、各シミュレーションタイムステップのコストは高くなりますが、シミュレーションの質は上がりました。シミュレーションの品質が向上すると、視覚的な精度を維持したまま、必要なサブステップ数を大幅に削減することができます。そして、このサブステップ数の削減は、多くの場合、総シミュレーション時間の短縮につながります。
■zMaterialノードにCurvature stiffness属性が追加
zMaterial ノードに curvature stiffness 属性が追加されました。このアトリビュートは、組織の曲げ(全体的な形状や表面の変形)に対する耐性を高めます。
■Attachment damping の追加
Attachment damping (Physical EffectsのDampingをチェック)が追加され、zAttachmentの下にdampingという調整可能なアタッチメント全体のパラメータとして表示さ れるようになりました。Attachment dampingを有効にすると、アタッチメントの振動や不安定な挙動が軽減されます。
注意: Attachment dampingは、スタートフレーム以外からシミュレーションを再開する場合、Maya Cached Playbackをサポートしません。ただし、Ziva Simulation Cache(zCache)では、この問題は発生しません。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
Ziva VFX は、Linux、Windowsで動作するMaya2019以降で使用できます。より詳しいシステム要件の確認はこちらから
価格は、Ziva VFX STUDIO が 1800ドル/年、年間総収益または資金調達額が 50 万ドル未満の作品に利用可能な Ziva VFX Indie が500ドル/年です。
他にもアカデミックやバッチライセンスが用意されています。その他の価格オプションの確認はこちらから
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