2023年1月23日(現地時間)- Marmosetは、リアルタイムレンダリング、テクスチャリング、ベーキングツールの最新アップデート Toolbag 4.05 をリリースしました。
新機能ハイライト
このリリースでは、Toolbagの3Dテクスチャリングとレンダリングシステムにアップデートがあります。
テクスチャペインティング機能には、シンメトリー、レイジーマウス、ステンシルが追加され、テクスチャプロジェクトのパフォーマンスが最大10倍高速化しました。また、調整レイヤーとプロセッサがさらに改良され、よりスムーズなユーザーエクスペリエンスが提供されるようになりました。
レンダリングシステムのアップグレードには、新しいポストエフェクトトーニングコントロール、ライトオブジェクトの温度コントロール、改良された屈折シェーダ、カーペイント、水、雪の表面に説得力のある輝きを与える新しいグリントシェーダが含まれています。
さらに、3D制作パイプライン全体の相互運用性を高める新しいUSDファイルサポートが追加されています。これらの新機能は次の動画で紹介されています。
テクスチャリングとペインティング
■パフォーマンスの向上
テクスチャプロジェクトのパフォーマンスを高速化するための継続的な取り組みが行われ、特に複雑なシーンでの作業において大きな改善がされています。多数のレイヤーとマスクを含むテクスチャプロジェクトは、最大10倍高速化され、アプリ全体の安定性が向上しました。
■シンメトリー
最もリクエストの多かったペイント機能の1つが追加されました。Mirror モードとRadialモードがあり、Mirror モードでは、任意の軸に沿って完全に対称的なストロークを描画できます。Radialモードは、ペイントしたディテールのインスタンス数を調整できるため、装飾的なディテールをすばやくペイントするのに適しています。カスタム対称軸を選択し、高度な整列オプションを使用して、メッシュの固有の特徴に対称面を整列させることが可能です。
■Lazy Mouse
Lazy Mouseスライダを使えば、マウスやタブレットからの入力をスムーズにし、より細かいディテールのペイントを簡単に行うことができます。
■ステンシル
ロゴ、グラフィティ、グライム、その他のパターン化されたディテールをすばやく描くのに適したステンシルモードが追加されました。ツール設定でStencil Textureを適用すると、ビューポートでペイントするための画面空間マスクが定義され、次のショートカットキーで操作することができます。
- Z:ステンシルのオン/オフ切り替え
- Z + LMB: ステンシルの回転(Shiftキーを押しながらスナップする)
- Z + MMB: ステンシルのパン
- Z + RMB: ステンシルのズーム
■シームレスな3Dブラー
テクスチャプロジェクトのブラー調整レイヤーが3D空間でシームレスに動作するようにアップデートされ、1つのUVアイランドを別のものにブレンドして、継ぎ目の上で正しいブラー結果を決定する高度なテクニックが使用されるようになりました。
ぼかし半径の設定は、プロジェクト解像度の変更に関連して自動的にスケーリングされ、知覚的なぼかしの正確なレベルを維持することに留意してください。


レンダリングのアップデート
■新しいポストエフェクト
Highlights, Midtones, Shadows, Clarityといった、新しいポストエフェクト設定が追加されました。カメラオブジェクトのトーンマッピング設定でHighlights、Midtones、Shadowsを調整し、ClarityスライダでMidtonesのローカルコントラストを調整できます。
■Glintシェーダ
屈折シェーディングモジュールにある新しいGlintシェーダは、輝き効果をレイヤーすることができ、説得力のある車の塗装や、乱流の水や雪の表面のきらめき効果を作成するのに便利です。Glint Mapを追加して、強度、密度、粗さ、スケールを調整することで、輝き効果をより細かく制御できます。
■ライティングレンダリングパス
レイトレースされたアンビエントオクルージョンを含む、いくつかの直接、間接、完全なライティングレンダーパスを追加し、ポスト処理パイプラインでレンダリングにライティングパスを合成できるようになりました。新しいライティングレンダーパスは、ビューポートレンダリングモードとしても使用でき、各ビューポートのレンダーモードドロップダウンで選択できます。
■ラスターレンダリング用レイトレースAO
ラスターレンダリングで作業する際の第二のオプションとして、レイトレース アンビエント オクルージョンが追加されました。これは、オリジナルのスクリーンAOと比較して、より正確な結果を生成します。レイトレース レンダリング機能のハードウェアアクセラレーションをサポートしないGPUで実行する場合、パフォーマンスが低下する可能性があることに注意してください。


■ライト温度
Light オブジェクトの新しい Temperature オプションを使用して、ライトの色温度を切り替えることができるようになりました。ケルビン値を設定するか、キャンドル、白熱灯、直射日光など、既存の温度プリセットから選択できます。
■屈折の改善
屈折シェーディングモデルが刷新されました。更新された屈折モジュールには、次のような特徴があります。
- 光の吸収と密度を新しいデプス(Depth)スライダーに統合。
- 新しいデプスマップとスキャッターマップテクスチャ入力
- 反射光に関連する屈折の粗さを調整するための新しいRoughness Biasスライダー
■NVIDIAのDLSSをサポート
NVIDIAのDLSSがサポートされました。これは、ビューポートを縮小した解像度でレンダリングし、AIベースの高度な技術を使って画像をアップスケールするもので、画質の低下を最小限に抑えながらパフォーマンスを向上させることができます。これは特にHigh-DPIディスプレイと相性が良いとされています。
ライトマップ
ライトマップのベイク機能がToolbagに帰ってきました。Complete、Diffuse、Specular、Indirectのベイクマップタイプをサポートしています。
USDサポート
Toolbagのエクスポートウィンドウが刷新され、Marmoset Viewer、FBX、OBJ、Collada、gITF、そしてUSDのファイルフォーマット固有のエクスポートオプションが追加されました。
USD (Universal Scene Description)ファイルのインポート/エクスポートにより、シーンデータの非破壊編集が可能になり、マテリアルとライティング情報の最新のサポートが提供されます。
USDフォーマットを拡張し、Toolbag固有のシーンおよびマテリアル情報を保存できるようにしたことにより、USDにエクスポートして他のToolbagシーンに再インポートする際に、ほとんどのシーンパラメータを保持することができます。
また、USDはToolbagとNVIDIAのOmniverseプラットフォームのような他の3D DCCソフトウェアとの間でよりシームレスな相互運用性をもたらします。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
永久ライセンスの価格は、Individualライセンスが319ドル、Studioライセンスが879ドルです。
サブスクリプションも利用可能で、Individual 15.99ドル/月、Studioライセンスは43.99ドル/月です。
Toolbag 4.05は、Toolbag 4の全ユーザーを対象とした無償アップデートとなります。ユーザーでない方は、30日間の無料トライアルが利用可能です。
最新版、体験版のダウンロードはこちらから
コメント