2022年10月18日(現地時間)- Adobeは、Adobe Max 2022 の開催に合わせて、同社のクリエイティブアプリケーションの最新アップデート(2022年10月リリース)をリリースしました。
ここでは、After Effects 23.0 の新機能を紹介したいと思います。
新機能ハイライト
2022年10月(23.0)リリースでは、選択可能なトラックマットレイヤー、レンダリングキューでの H.264 エンコード、コンポジション設定の更新されたプリセット、新規アニメーションプリセットおよび強化されたキーフレームナビゲーションが含まれています。また、Maxon の Cinema 4D のインストールはオプションとなりました。
選択可能なトラックマットレイヤー
タイムラインパネル
の新規トラックマットドロップダウンメニューを使用して、任意のレイヤーをトラックマットとして使用することで、コンポジションをより簡単に、柔軟に行うことができるようになりました。これにより、ターゲットレイヤーの上にマットを配置する必要がなくなります。
レイヤースタック内のどこに配置されていても、コンポジションのレイヤーをすべてトラックマットとして使用できます。 複数のレイヤーに 1 つのレイヤーをマット用に参照させることも可能です。
また、マットレイヤーのアルファチャンネルまたはルミナンスチャンネルを使用して、必要に応じて反転することもできます。
ネイティブの H.264 エンコード
出力モジュール設定
のオプションとして H.264 を使用すると、After Effects レンダーキューから直接 H.264 をエンコードできるようになりました。この統合では、Adobe Media Encoder(AME)UI と AME のバックエンドエンコードシステムを使用しています。
この統合は、Adobe Media Encoder(AME)のUIとAMEのバックエンドエンコーディングシステムを使用しており、すべてAfter Effectsから離れることなく行うことができます。
H.264の書き出しは、ハードウェアエンコードモードとソフトウェアエンコードモードの両方をサポート、AMEやPremiere Proと同様に、After EffectsのH.264書き出しも高速化されています。
コンポジションプリセット
コンポジションプリセット
リストが見直され、より一般的に使用されるプリセットの検索が容易になりました。プリセットには、ソーシャルメディア出力用のサイズも含まれています。
新しいアニメーションプリセット
After Effects コミュニティによって作成された 50 以上の新しいアニメーション プリセットを入手できます。最新のモーションデザイン ワークフロー用に設計されたこれらのプリセットを使用すると、よく使うテクニックをゼロから始める必要がなくなり、すばやくアニメーションを作成できます。
プリセットリストの確認はこちらから
より迅速なタイムラインのナビゲーション
Shift
キーを押しながら、使い慣れた J および K ホットキーを使用すると、作業中のキーフレームのみをフォーカスすることが可能となりました。これにより、現在の時間インジケーター(CTI)の動きが、選択されたレイヤーおよびプロパティのキーフレームのみに制限されます。
Cinema 4D のインストールがオプションに
After Effects のインストールの際に、「アドオン」オプションを使用して、Cinema 4D をダウンロードするかスキップを選択することができます。もし、後でCinema4Dをインストールしたい場合は、いつでもCreative Cloudアプリケーションからインストールすることができます。
現在ベータ版で提供中の機能
■3Dモデルの読み込み
3D モデルを After Effects に読み込んでコンポジションに追加し、位置、拡大/縮小、回転などの変形を編集したりアニメーション化したりできます。3D モデルの読み込み時に、単位や拡大/縮小など、モデルの変換方法を指定できます。
■プロパティパネル
プロパティパネルを使用して、タイムライン内の選択したレイヤーの重要なプロパティにすばやくアクセスすることができます。これにより、複数のレイヤー階層を開いたり、別のパネルを開く必要がなくなり、ワークフローを高速化するレイヤーおよびオブジェクトプロパティのアクセシビリティが向上します。
現在のベータ版ビルドには、シェイプレイヤーのプロパティパネル機能が備わっており、パネルには、選択したシェイプレイヤーのレイヤーの変形、レイヤーの内容、シェイプのプロパティおよびシェイプの変形が表示されます。
■OpenColorIO および ACES のカラーマネジメント
ACES は、映画やテレビ制作のライフサイクル全体でカラーを管理するための業界標準です。エンドツーエンドの画像忠実度を維持するための標準を提供することで、複数の画像キャプチャおよびプレゼンテーションデバイスの使用から生じる複雑さを簡素化します。
After Effects と OpenColorIO(OCIO)の統合により、ACES ワークフローが簡素化され、After Effects 内の ACES でネイティブに作業できるようになります。
より詳しいアップデート内容の確認はこちらから
23.xアップデート情報
23.1
2022年12月13日 – After Effects 23.1 がリリースされました。
After Effects 23.1では、Cinema 4Dの2023バージョンとの統合が追加されました。Cinema 4D 2023には、包括的なモデリング対称性、インプレースアセット管理、ネイティブOCIOサポートなどの新機能が含まれています。Cinema 4D 2023について詳しくは以下の記事をご覧ください。
![](https://cginterest.com/wp-content/uploads/2022/09/20220908_cinema4d2023-320x180.jpg)
現在のバージョンの After Effects(23.1)では、Cinema 4D 2023 のみがサポートされています(インストーラーが付属しています)。
詳細はこちらから
23.2
2023年2月7日 – After Effects 23.2 がリリースされました。
このリリースでは、23.0でベータ版として提供されていたACESのワークフローを簡素化するための、OpenColorlO(OCIO)のサポートが正式に追加されています。また、いくつかの安定性とパフォーマンスの修正も含まれています。
After Effectsのカラーマネジメント.pngexpand imageOpenColorIO(OCIO)は、主に映画制作で使用されるカラーマネジメントソリューションで、高忠実度のカラーイメージングに必要なカラーマネジメント方法の導入をサポートします。ACES(Academy Color Encoding System)は、カラーマネジメントのための映画制作業界標準となることを目指した、フリーでオープン、デバイスに依存しないカラーマネジメントシステムです。
After Effects と OpenColorIO(OCIO)の統合により、ACES ワークフローが簡素化され、After Effects 内の ACES でネイティブに作業できるようになります。
価格とシステム要件
After Effects 23.0は、Windows 10(64 ビット)日本語版バージョン 1909 以降、macOS のバージョン10.15、または macOS Big Sur(11.*)、macOS Monterey(12.*)で利用できます。Apple シリコンコンピュータを使用の際は以下リンクもご参考に。
より詳しいシステム要件はこちらから
After Effectsの単体プランは
- 年間プラン, (月々払い) — 2,728 円/月(税込)
- 年間プラン, (一括払い) — 28,776 円/年(税込)
- 月々プラン — 3,828 円/月(税込)
となります。
また、Premiere Pro、After Effectsともに6,248 円/月 (税込)Creative Cloudコンプリートプランの一部としても利用できます。
詳しい価格はこちらから
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