10月11日(米国時間)- Metaは、ハイエンドVRデバイス「Meta Quest Pro」を発表しました。
Metaのハイエンドなデバイスラインの最初の製品「Meta Quest Pro」
Meta Quest Proは、Metaの新しいハイエンドなデバイスラインの最初の製品で、優れた複合現実体験を実現する高解像度センサー、シャープな視覚表現を提供する鮮明なLCDディスプレイ、全く新しい洗練されたデザイン、VRでより自然に自分をアバターに反映することができる「アイトラッキング」と「自然な表情機能」といった革新的な機能が盛り込まれています。
Meta Quest Proは、VR用に最適化された新しいQualcomm Snapdragon XR2+プラットフォームを搭載した初めてのデバイスで、Meta Quest 2の1.5倍の高い動作性があり、放熱性も改善されているため、性能が大幅に向上しています。Meta Quest Proにはそれぞれ12GBのRAM、256GBのストレージ、10個の高解像度センサー(ヘッドセットの内側に5個、外側に5個)が搭載されており、さまざまな没入体験を高めています。
次世代の光学系
Meta Quest Proは、Meta Quest 2のフレネルレンズを薄型パンケーキレンズに変わって、光学モジュールの奥行きを40%削減しながら、クリアでシャープな画質を提供します。2つの液晶ディスプレイは、ローカルディミング技術と量子ドット技術を採用し、より豊かで鮮やかな色彩を実現しています。特殊なバックライトハードウェアとそれに付随するソフトウェアアルゴリズムによって実現される、Metaのカスタムローカルディミング技術は、500以上の個々のLEDブロックを独立して制御でき、ディスプレイに1.75倍のコントラストを与えています。
Meta Quest Proは、Meta Quest 2と比較して、1インチあたりの画素数が137%、1度あたりの画素数が110%に向上しており、文字の読み取りからゲームのプレイまで、より美しく見えるようになりました。さらに、全視野の視覚的な鮮明さは中央部分で125%、周辺部で150%に向上し、色域はMeta Quest 2の1.3倍に拡大しています。
フルカラーの複合現実
Meta Quest Proは、Meta Quest 2の外部カメラの4倍の画素数を取り込む高解像度の外方向カメラを備えた、全く新しいセンサーアーキテクチャを採用しており、高精細でフルカラーの複合現実を可能にしています。
Meta Quest 2では、パススルーを使いデバイスの外の世界を白黒で見ることができますが、Meta Quest Proを使えば、物理的な環境をフルカラーで見ることができるようになります。これは、開発者がMetaのプレゼンスプラットフォーム群を使用して、より優れた複合現実体験をつくり出すのに役立ちます。
Meta Quest Proは、複数のセンサーによる映像を組み合わせて、3Dで自然な映像を作成する、立体的な複合現実パススルーを備えています。単眼でのパススルー技術と比較すると、近くのものの場合でも、ルームスケールの広い視野の場合でも、複合現実における奥行きの知覚がしやすく、視覚の歪みが少なくなり、より高品質で快適な体験を実現します。
洗練された新しいデザイン
Meta Quest Proは、パンケーキレンズとヘッドセットの後部に配置された流線型モバイルバッテリーにより、MetaのこれまでのVRデバイスの中で最もスリムでバランスの取れたデバイスとなっています。装着感もよく、ヘッドセットを装着していることを気にせず、ワンランク上のVR体験に集中することができます。
レンズの間隔を連続的に調整できる構造で、瞳孔間距離(IPD)55mm~75mmに対応しています(Meta Quest 2のIPD58mm~72mmより広い範囲に対応)。新たに搭載したアイレリーフ調整ダイアルでは、レンズと目の距離を調整し、装着感、フェイストラッキング、視聴体験を最適化することができます。これにより、より多くの利用者が自分好みのヘッドセットに微調整できるようになりました。
また、Meta Quest Pro は、周辺部が開いたデザインになっており、周辺の視野を使い、物理環境にも存在し続けることができ、現実世界とバーチャル世界を行き来することができます。没入感を得たい場合は、同梱されているマグネット式遮光ブロッカーを装着することができます。より一層没入感のあるVR体験をしたい方向けには、フル遮光ブロッカーが年内に発売される予定です。
セルフトラッキングコントローラー
Meta Quest Proのコントローラーは、大幅に新しくなった機能を搭載しています。各コントローラーに内蔵された3つのセンサーにより、ヘッドセットとは無関係に3D空間の位置を追跡し、360度のフル可動域を実現します。これにより、すべてのVRアプリケーションで安定したトラッキングが可能になります。
コントローラーは、人間工学に基づき、よりバランスの取れた設計になっており、まるで手の延長のような自然な操作感を実現新しい「TruTouchハプティクス」のシステムによる、より広範囲に正確なフィードバックを提供する一歩上のハプティクス(触感)を実現します。
また、充電式のバッテリーも付属します。Meta Quest Proを購入すると付属する充電器と45W USB-C電源アダプターを使えば、ヘッドセットとコントローラーの両方を充電し、すぐに使えるようにしておくことができます。
アバターの表情がより自然に
Meta Quest Proは、「アイトラッキング」と「自然な表情機能」により、メタバースで本物の自分を表現することに一歩近づきました。
この新しいソーシャルプレゼンス機能は、プライバシーに配慮して構築されています。「アイトラッキング」と「自然な表情機能」は、デフォルトではオフになっています。これらをオンにした場合、利用者の目と顔の画像はヘッドセット内に留まり、処理された後に削除されるため、Metaやサードパーティのアプリと共有されることは決してありません。
Quest Proのプライバシーコントロールの詳細については、こちらをご覧ください。
これらの新しい機能をサポートするアプリを作りたい開発者向けには、プレゼンスプラットフォームの「Movement SDK 」がリリースされています。
その他開発者向け発表はこちらの記事でまとめられています。
今後の予定
Meta Quest Proとともに、Meta Questのデバイスラインは、VRの身近なエントリーデバイスとして今後も存続していく予定で、Meta Quest 2には、引き続きたくさんのコンテンツやアップデートが予定されています。
Meta Quest Proは、Meta Quest 2との後方互換性があり、初めから様々な没入型ゲームやエンターテイメントを楽しむことができます。ただ今後、一部のアプリでは、「自然な表情機能」のように、新しいヘッドセットでのみ対応する特定の機能も追加される予定です。
将来的には、Meta Quest Proの使用例が、エントリーレベルのヘッドセットにも追加される機能やコンテンツに反映されることになります。Metaは、この2つの製品ラインは、互いに補完し合いながら、メタバース構築に向けたVRデバイスの未来を形作っていくとしています。
価格と販売時期
Meta Quest Proは、10月25日(米国時間)に、ヘッドセット、Meta Quest Touch Proコントローラー、スタイラスペン先、部分遮光ブロッカー、充電器を含め、226,800円(税込)で発売されます。
Meta Quest Proは、10月11日(米国時間)より、日本を含むMeta Quest製品がサポートされているすべての国のMetaストアのオンラインサイト も事前予約が可能です。
また、新型ヘッドセットやコントローラーに加え、Meta Quest Proをより楽しむためのさまざまな関連アクセサリーの予約受付も開始しています。
- Meta Quest Proコンパクト充電ドック/10,780円(税込)、10月25日(米国時間)発売:Touch Proコントローラーと、USB-C接続のMeta Questヘッドセットを充電できる2 in 1の充電器。45W USB-C電源アダプターが付属しています。
- Meta Quest Proフル遮光ブロッカー/6,820円(税込)、11月22日(米国時間)発売:Meta Quest Proに簡単に取り付けられ、より没入感のある体験ができる、完全遮光の接顔部。
- Meta Quest Pro VRイヤホン/6,820円(税込)、10月25日(米国時間)発売:周囲のノイズを遮断し、カスタマイズされたフィット感で高音質のオーディオ体験を提供します。遮光アクセサリーを装着したままでも使用可能です。左右のイヤホンはヘッドセットのどちら側にも接続できるので、視界の中でケーブルが交差するのを防ぐことができます。
- Meta Quest Pro用Incase携帯用ケース/16,580円(税込)、10月25日(米国時間)発売:カスタムフィットのインナーシェルと内ポケットで、Meta Quest Proとアクセサリーを安全に収納できます。軽量なアウターシェルで、外出先でも安心です。
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