2022年9月14日(現地時間)- Autodeskは、、3Dアニメーションソフトウェア の最新アップデートMaya 2023.2 をリリースしました。
新機能ハイライト
このリリースでは、アニメーションとリギングのパフォーマンスを向上させることに重点が置かれており、ワークフローの簡略化、エクスペリエンスの向上、時間の節約に関する機能が改善されています。またBifrost、USD、Arnold プラグインもアップデートされています。
アニメーションパフォーマンスの向上
Maya 2023.2 では、GPU デフォメーション ワークフローが大幅に強化され、特に複雑なキャラクタ リグをアニメートする際のアニメー ション パフォーマンスが大幅に向上しています。
この強化には、評価マネージャの強化が含まれており、グラフの再構築を最小限に抑えることで、ラグタイムを短縮します。これは、リグの可視性を頻繁に変更する場合に最も効果的です。
また、GPU リードバックなどの追加の改善により、GPU 評価をより適切に利用して、再生パフォーマンスを向上させることができます。
評価ツールキットの更新
現在の状況を分析するために、評価ツールキット(Evaluation Toolkit)に多くの UI およびデバッグ ツールが追加されました。
これには、視覚的なグラフ出力を改善する新しいオプション、デフォーマ評価の可視性と制御を強化する新しいGPUアウトライナー、GPUオーバーライドの状態をより深く理解するための評価HUDの機能強化が含まれています。たとえば、ビューポートで、エバリュエータが要求しているノードの数と、GPU で評価されているノードの数を確認できます。
グラフ エディタ(Graph Editor)新しい接線コントロール
角度(Angle)およびウェイト(Weight)という 2 つの新しいオプションの入力フィールドが Graph Editor ツールバーに追加されました。
これらのフィールドでは、選択した複数のキーの角度とウェイトを同時に変更し、タンジェントを正確にコントロールすることができます。以前は、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で複数のイン/アウト接線とウェイトの変更のみが可能でした。
Blue Pencilの改良
描画エクスペリエンスを向上させるための Blue Pencil ツールの改良がされました。
Blue Pencilがタブレット端末のタッチ感度をサポートするようになり、さらに、新しい不透明度、サイズ、硬度のフォールオフランプにより、Blue Pencilのストロークをより正確にコントロールできるようになりました。他にも以下のような機能強化があります。
- カスタム ストローク プロファイルを作成できるように、減衰カーブ設定(Falloff curve settings)が追加されました。
- Blue Pencil のフレームを含むシーンを開く時間と保存する時間が改善されました。
- 表示(Show)パネル メニューに Blue Pencil オプションが追加され、図面の表示/非表示を切り替えることができるようになりました。
- カメラ レイヤを削除するには、レイヤ マネージャ(Layer Manager)でカメラ名を右クリックします。
- ストロークのサイズと外観に関する複数の不整合が修正されました。
- パフォーマンス トラッキングの新しいプロファイラ(Profiler)のサポートしました。
新しいジョイントの描画スタイル
今回のアップデートでは、ジョイント(Joint)という新しいドロースタイルがジョイント(Joint)オプションの描画スタイル(Draw Style)メニューに追加されました。
ボーン(Bone)、複数の子をボックスとして(Multi-child as Box)、およびボックス(Box)のスタイルに、この新しい描画スタイルが追加されています。
これは、ジョイントの影響を表示するのが難しい小さな領域内に複数の子ジョイントを持つリグ(顔のリグなど)を操作する場合に便利です。
その他のアップデート
■UVPin、プロキシミティ ピン、スキンクラスタの改善点
UV ピン、プロキシミティ ピン、スキンクラスタ ノードに新しい 相対空間モード(Relative Space Mode)オプションが追加されま した。これは、オブジェクトの親が移動したときに発生する二重変形やトランスフォームの問題を防ぎ、原点から遠く離れた場所でアニメートするときの浮動小数点精度エラーに関連するジッターの問題を解決することができます。
■USD for Maya 0.19 プラグイン
Maya 2023.2 のインストールで使用できる最新のリリースは、USD for Maya v0.19.0 です。この更新バージョンのプラグインには、重要なバグ修正、安定性の更新、および Maya リファレンスとディスプレイ レイヤに関連するワークフローの新しい機能リリースが含まれています。このバージョンに関する最新のハイライト情報については、「USD リリース ノート」を参照してください。
■Bifrost 2.5.1.0
Bifrost 2.5.1.0 には、マテリアルのバインドとコレクションの操作に使用できる新しい USD ノード、およびその他の改良点が含まれています。
このリリースのその他の機能は次のとおりです。
- Bifrost ブラウザで使用可能なサンプルグラフが改善されました。
- アニメーション リグに使用されるような、入力と出力が数値だけのグラフや、カーブのような非常に軽量なジオメトリだけのグラフが、高速に評価されるようになりました。
このバージョンに含まれる機能とバグ修正の完全なリストについては、「Bifrost リリース ノート」を参照してください。
■Arnold for Maya 5.2.0 プラグイン
Maya 2023.2 には MtoA 5.2.0 for Arnold 7.1.3 が付属しています。このバージョンで利用できるArnoldでは、ボリューム レンダリングの改善、USD プロシージャルと Hydra レンダー デリゲートの改善、および Arnold ビューポートのエクスペリエンスの改善といった以下の更新が行われています。
- ボリューム レンダリングの改善: ボリューム シェーダに新しいデュアル ローブ フェーズ関数パラメータが追加されて、リアルな雲を簡単にレンダリングできるようになりました。また、放出のスケールをコントロールする新しいモードが導入されて、放出ボリュームの見映えを改善できるようになりました。
- USD の改善: レンダー デリゲートによって、Cryptomatte、メッシュ ライト、カラー管理、ライト フィルタ、ライト シェーダ、ネストされたインスタンス、および固定されたカーブとオーバースキャンがサポートされるようになりました。レンダー デリゲートとプロシージャルの両方で、速度モーションブラー、NURBS カーブ、および UsdPreviewSurface ディスプレイスメントがサポートされるようになりました。さらに、Maya USD を介して Arnold シェーダを直接書き出せるようになりました。
- Arnold ビューポートのエクスペリエンスの改善: すべてのモデル ビュー パネルに新しいツールバーが追加され、Arnold ビューポート レンダラを簡単に実行およびコントロールできるようになりました。また、Maya レンダー ビューが、Arnold レンダリングおよび IPR 用の Arnold レンダー ビューに置き換わりました(レンダー シーケンスを除く)。さらに、バージョン 5.2.0 では、Maya ライトのネイティブのスペキュラの放出(Emit Specular)オプションおよび拡散の放出(Emit Diffuse)オプションのサポートも追加されました。
最近追加された機能の完全なリストと、バージョン 5.2.0 以前のバグ修正については、「Arnold for Maya リリース ノート」を参照してください。
■Substance 2.3.0
Maya 2023.2 には、物理サイズを有効にする機能を含む Substance 2.3.0 が用意されています。この機能は、ノード ネットワークに三平面投影計算を追加します。これにより、モデル上で特別な UV を必要とせずに、物理的に正しいサイズでモデルにデジタル マテリアルを適用、タイリング、繰り返すことができます。
Substance 2.3.0の詳細については、こちらのページを参照してください。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
Maya2023は、Windows 11, 10、Linux RHEL / CentOS 8.5 , 7.6-7.9 /Rocky Linux 8.5とmacOS 12.x, 11.x, 10.15.x, 10.14.xで利用することができます。より詳しいシステム要件はこちらから
価格はサブスクリプション形式で、36,300円/月、286,000円/年、815,100円/3年です。
また、条件にあてはまる方はIndieライセンスを購入することが可能です。価格は42,900円/年です。より詳しい情報は以下の記事をご覧ください。

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