2022年7月27日(現地時間)- Maxonは、GPUアクセラレーションによるバイアスレンダラーの最新アップデート Redshift 3.5.05 のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
Random Walk(ランダムウォーク)
サブサーフェススキャッタリング(SSS)は、ほとんど不透明なオブジェクト(肌や大理石など)を通過する光をシミュレートする高度なレンダリング技術です。
ランダムウォークは、より正確なパストレース方式のサブサーフェススキャッタリングモデルで、ディテールや光の相互作用をより正確に捉えることができます。
光線が散乱して媒質を探索する際に、モデルの形状や光源からの距離や体積を考慮し、光線が通過する際の表面の厚みをより正確に表現することができるため、従来のSSS手法よりも、薄い物体や曲がった物体のシミュレーションに適しており、細かいディテールを保持することができます。
Volumetric Anisotropy(体積異方性)
Volumetric Anisotropyとは、体積を持つ媒体の組成により、光線が異なる方向に散乱することです。
例えば、平均的な雲は、体積内に浮遊する水や氷の分子によって前方散乱の異方性を示し、大理石のような硬い物質は後方散乱をします。
今日のリリースまで、Redshiftのボリュームシェーダは等方性スキャッタリングしかサポートしていなかったので、光はあらゆる方向から均等にしか散乱できず、アーティストは散乱方向を制御することができませんでした。
この制御は、ある種のボリュームで特定の外観を実現するために必要であり、値を制御することで、実世界で見られるボリュームをより幅広く表現することができるようになります。
Transmission BTDFの改善
standard surface BTDFのエネルギー保存の改善により、Transmission BTDFが改善されました。
他のオブジェクトへのSSS GI Bleed
SSSが物体を通ってGIをブリードし、他の周囲のオブジェクトに影響を与えることができるようになりました。
Redshift RT
Redshift RTには、以下の新機能や改善があります。
- Redshift RT デノイジングコントロール
- Redshift RTのMaxon Noiseのコンパイル時間の改善
- Redshift RTのコマンドラインレンダリングサポート
Houdini プラグイン
今回のアップデートでは、Houdini 19.5対応、Solarisの Hair Proceduralサポートなど以下のような機能が追加されました。
- Houdini 19.5 に対応
- Solaris Hair Procedural
- Redshift Packed Proxy SOP用のマテリアルオーバーライド
- Alembic Procedural SOP Exclusionのサポート
- InstanceFile Proxy ワークフローを使用したマルチマテリアルオーバーライド
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
Redshiftは、64-bit Windows 10、Apple macOS: Big Sur (11.5) 以降、Linux: 64-bit distribution with glibc 2.17 以上で利用できます。
サポートしてる3Dアプリケーションは以下のとおりです。
- Autodesk Maya (Windows, Linux, macOS): 64-bit edition. 2016.5 以降
- Autodesk 3dsMax (Windows): 64-bit edition. 2015 以降
- Maxon Cinema 4D (Windows and macOS): 64-bit 版. R21 以降
- Maxon Cinema 4D (Linux CommandLine): 64-bit 版. R21 以降
- SideFX Houdini (Windows, Linux): 64-bit 版. 17.5 以降
- SideFX Houdini (macOS): 64-bit 版. 18.0 以降
- Foundry Katana (Windows, Linux): 64-bit 版. 3.0v1 以降
- Blender (Windows, Linux): 64-bit 版. 2.83LTS 以降
より詳しいシステム要件はこちらから
価格は、6,050円/月 または 39600円/年です。
また、Maxonの製品が全て利用できる178200円/年のサブスクリプション『MAXON ONE』の一部としても利用できます。
Latest Redshift Release Features Random Walk and Volumetric Anisotropy
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