Unity、アプリエコノミービジネスプラットフォーム ironSource と合併契約を発表

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2022年7月13日(現地時間)- Unity は、ironSourceと合併する契約を締結したことを発表しました。Unityブログでは『合併(merge)』と表現されていますが、買収し、ironSourceを完全子会社化するようです。ironSourceの企業評価は約44億ドル(6041億円)。今回の買収は2022年の第4四半期中に完了する見込みとなっています。

詳しくは触れませんが、今回の買収は、Apple の最近のデータプライバシーの変更による収益の減少が関係しているとされています。以下、Unityブログに投稿された発表の内容となります。

Unity が ironSource を買収

Unityは、ironSourceのツール、プラットフォーム、技術、人材を活用し、クリエイターがライブゲームやRT3Dコンテンツをより簡単に作成、公開、運営、収益化、シームレスに成長できるエンドツーエンドのプラットフォームを形成していくとしています。

今日、ゲームは発売されるのではなく、生きており、プレイヤーはつながりを求めてお互いに遊んだり、ソーシャルになることを望んでいます。そして、このようなトレンドは、ゲーム以外の分野にも広がっています。そのため、Unityは、どのようなエンジンでゲームを作るかに関わらず、クリエイターに価値を提供し、加速させるツール、ソリューション、サービスのプラットフォームの微調整に重点を置いてきました。Unity Gaming Servicesの一般提供から、Parsec、SyncSketch、最近のWētā DigitalやZiva Dynamicsの買収、そしてUnityのコアツールやOperateで継続して行っている作業まで、クリエイターに卓越した価値を提供することに集中しています。

Unityのビジョンは、クリエイターがビジョンを素早く美しく実現できる、パワフルで柔軟なエンジンを提供すること、そして、クリエイターが学習し、オーディエンスをより理解するためのツールを導入し、より迅速に反復し改善することで堅牢で拡張性のあるビジネスを構築できるようにすることです。このビジョンに近づくために、Unityは、ironSourceをUnityファミリーに迎え入れることを、これ以上ないほど楽しみにしているとしています。

両社の統合により、Unityは、クリエイターエコノミーをエンドツーエンドで支えるソフトウェア企業として成長を加速させます。また、Unityのコミュニティにとっても、Operate ソリューションと Create ソリューションの緊密な統合を促進し、クリエイター、パブリッシャー、広告主に対して、ゲームをはじめとする最高の価値の組み合わせを提供することができます。

ironSourceについて

ironSource

は、アプリの収益化と配布のためのテクノロジーの開発に焦点を当てたグローバルなソフトウェア会社です。アプリ経済におけるビジネスの拡大を可能にしながら、クリエイターが優れたアプリとユーザー体験を実現するという、クリエイターが最も得意とすることに集中できるよう支援してきた実績があります。

ironSourceの一連のツールとリューションは、世界のトップゲームの大部分と、業界をリードするノンゲーム・アプリケーションの多くに、拡張性のあるアプリベースのビジネスを構築・運営するために必要な収益化、マーケティング、分析、およびディスカバリー機能を提供しています。Unity専用のプラグインも提供されているようです。

Operateソリューションのクリエイターへの価値提供の加速

Unityは、ironSourceがUnityのOperateソリューションを強化することは、クリエイターにとって即効性のある利益をもたらすと確信しています。

Operateのミッションは、クリエイターが最高のプレイヤー体験を提供し、強固なビジネスを構築するための成功を実現することです。そのための重要なツールが、ゲーム開発者がプレイヤーベース全体をマネタイズできるようにするモバイルゲーム向けのマネタイズソリューションであるUnity Adsです。広告がモバイルゲームの経済的なエンジンであり、プレイヤーをゲームに引き込み、大規模な収益をもたらすことは、これまでも、そしてこれからも変わらないと考えられています。

現在、広告はマクロ経済的な要因により一時的な課題に直面していますが、この事業は、景気サイクルや規制変更の多くの浮き沈みにもかかわらず、回復力を証明してきました。UnityとironSourceのデータおよび製品機能の補完により、クリエイターはユーザー獲得(UA)とマネタイズのためのより良い資金を得ることができ、ゲームを成功させ、経済パフォーマンスを加速させることができます。

また、ironSourceは、Auraを通じてクリエイターのクロスチャネルでの発見、UA、マネタイズチャネルの拡大を支援し、Lunaを通じて新しいクリエイティブと分析機能もたらすことになります。さらに、UnityとironSourceの30億人以上の月間アクティブユーザー(MAU)のリーチを組み合わせることで、広告バイヤーには広告費用対効果(ROAS)の向上、パブリッシャーにはマネタイズなど、顧客により良いパフォーマンスを提供するスケールメリットとデータメリットを提供します。

ゲームエンジンの再定義

IronSourceにより、UnityはゲームやRT3Dのコンテンツや体験を作る直線的なプロセスを、相互接続されたインタラクティブなものにし、サイクルのすべての段階で革新と改善の機会を創出します。

もし、制作のプロセスが「まず制作し、次に収益化する」というものでなくなったらどうでしょう? もしクリエイターがライブゲーム用のエンジンを持ち、デフォルトでプロトタイプのユーザー獲得を通じてゲームの成功の初期指標を得ることができ、プロセスのできるだけ早い段階で実際のプレイヤーとのインタラクションに基づいてゲームを改善するフィードバックループが得られたらどうでしょうか?UnityとironSourceが提供するサービスを組み合わせることで、クリエイターのための唯一のゲーム制作・成長プラットフォームとして、ユニークな位置づけとなるとされています。

UnityのCreateとOperateの緊密な統合は、より強力なフライホイールとデータのフィードバックループを意味し、クリエイターの成功とゲームプレイ、デザイン、マネタイズの間で何がうまくいっているかの理解をさらにサポートします。IronSourceのパブリッシングソリューションであるSuperSonicを加えることで、統合会社は、エンジンを通じて直接パブリッシングすることへの障壁を取り除くことにもなります。

マーケティング領域におけるフライホイール(flywheel)とは、消費者の行動プロセスもしくは企業による消費者へのマーケティングアプローチを、循環型の「弾み車(フライホイール)」の形で表現したフレームワークのこと。

Unityは、アイデアを創作からビジネスとして成立させるためのエンジンを提供します。これは、開発者や業界全体が、ゲームを作るたびに車輪を再発明する必要性をなくすためのエンジンで、その歯車には、制作、公開、運営、収益化、そして成長のためのツールが含まれています。このironSourceとの統合、そしてその結果得られるゲームライフサイクルにわたるインタラクティブ性と相互運用性が、Unity + ironSourceの特徴です。

クリエイターが成功してこそ、Unityも成功します。ironSourceがUnityファミリーに加わることで、クリエイターが一元化された統合プラットフォームで、より簡単に成功できるようになるとされています。

こちらの Unity Forums から議論に参加することができます。


Welcome, ironSource!

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