2022年6月7日(現地時間)- Adobeは、Dペイントソフトウェアの最新アップデート Substance 3D Painter 8.1 をリリースしました。
今回の新機能は、GDC 2022のSubstance Day 基調講演 にて紹介されていたものとなります。

新機能ハイライト
この最新リリースでは、Substance 3Dエコシステムによるプロダクトデザインワークフローの改善に焦点を当てたICCサポートとアセットの物理サイズスケーリングの導入、新しいベイカー、その他様々な新機能とコンテンツの追加が行われています。
ICCサポート
Painter で ICC プロファイルがネイティブにサポートされ、ビューポートで色が正しく表示されるようになりました。このアップデートにより、Photoshopをはじめとする ICC と互換性のあるアプリケーション間で一貫した色変換と画像表示を行うことが可能となりました。
新規プロジェクト作成時に、新たに追加されたAdobe Color Engine(ACE)によるカラーマネージメントエンジンを指定することができます。
ビューポートでは、ICCプロファイルを使用して、見た目を調整し、色をモニターに一致させることが可能です。
また、ICCプロファイルを埋め込んだ画像のインポート、エクスポートやプロジェクト間で設定を共有するための新しいjsonテンプレート設定も利用可能となっています。
物理サイズ
Designer、Sampler、Substance 3D Assets から読み込んだ SBSAR ファイルに埋め込まれた実際の物理サイズ情報を、Painter で考慮できるようになりました。この機能は、今年初めにSamplerで導入された機能で、推測することなく、実際のサイズに従ってサーフェス上のマテリアルを適切にマッチングさせるのに便利です。
また、ビューポート機能にグリッドを追加し、マテリアルのスケールを絶対的な精度で制御・調整できるようになりました。
新しいベーカー
ハイト(height)、ベントノーマル(bent normal)、オパシティ(opacity)マップ用の新しいベイカーが追加されました。
■bent normal
bent normal ベイカーは、オクルージョン方向をベイクすることができます(ベクトルとして、法線マップに似ています)。このテクスチャは、シェーダ設定ウィンドウでベント法線設定を有効にすることで、ビューポートでのシェーディングを改善するために使用でき、リアルタイムのビューポートシェーディングの精度を大幅に向上させます。
拡散(diffuse)シェーディングの場合、より正確なオクルージョンを与え、近似的なグローバルイルミネーションのように見え、鏡面反射(specular reflections)では、セルフシャドウをシミュレートして光の漏れの量を減らすことにより、特に金属表面でオブジェクトがより接地しているように感じられます。


■height
height ベイカーは、ローポリメッシュとハイポリメッシュの差をグレースケールのテクスチャとしてベイクし、テッセレーションメッシュ上の変位を生成するために使用することができます。平面に対してスキャン情報をベイクするときに使用することができます。
■opacity
Opacity ベイカーは、ハイポリメッシュから穴を示す黒と白のマップを生成します。フェンスや、布の表面の内側の穴をベイクするのに使用することができます。
これらはベイカーリストに追加されましたが、デフォルトでは無効になっています。
新しいコンテンツ
以下のような様々な新しいコンテンツが追加されています。
■100以上のプリセットを持つ新しい3Dノイズと改善された3Dノイズ
既存の3Dノイズが改良され、新たに3つのノイズが追加されました。各ノイズには事前定義された設定が含まれており、7つのノイズで合計105のプリセットが用意されています。
■20種類の新しいグランジビットマップと2種類のクロスパターン
新しいグランジのセットは、既存のパターンの範囲を拡張するために、デフォルトのコンテンツに追加されました。グランジのセットは、Procedurals > Grunges Bitmapで、2つの布のパターンはProcedurals > Fabricで利用可能です。
スポイトとマテリアルピッカーの改善
スポイトにプレビューサークルが追加され、カーソル下の色をより明確に表示できるようになり、選択した色をより簡単にプレビューできるようになりました。ショートカットキー(Shift)を使って、特定のチャンネルの色と画面上のピクセルを簡単に切り替えることができます。
マテリアルピッカーも同様に改良され、選択したマテリアルをプレビューできるようになりました。さらにプロパティウィンドウ内のチャネル選択を尊重するようになっています。例えば、マテリアルのアクティブレイヤーがメタルチャンネルのみである場合、ピッカーが選択するのはこのチャンネルの情報のみです。
また、新しいピッキングモードでは、Substance 3D Samplerとの一貫性を確保するために、UXも改善されており、色をピッキングするときに、マウスを動かしている間、マウスクリックを押し続けておく必要がなくなりました。
自動UV展開機能の改善
Modeler と同じアンラップアルゴリズムを使用することにより、自動UV展開機能(auto UV unwrapping)は、より自然な分割を行えるようになりました。特に有機的なメッシュでは、手作業に近い方法でメッシュが個別のUVアイランドに切り分けることが可能となっています。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
Substance 3D Painter 8.1 は、Windows 10 (64bit, version 1909)、Mac OS 10.14 (Mojave)で利用できます。より詳しいシステム要件はこちらから
Substance 3D Painter 8.1 は、Adobe Substance 3D アプリのサブスクリプションプランに含まれています。
Adobe Substance 3D Texturing プランには、Painter、Designer、Samplerアプリと、月に最大30の3Dアセット(マテリアルのみ)が含まれ、価格は2,398 円/月(税込)です。
Adobe Substance 3D Collectionプランには、Painter、Designer、Sampler、Stagerアプリと、1か月あたり最大50の3Dアセット(マテリアル、モデル、およびライト)が含まれ、6,028円/月(税込)(初年度4,818 円/月)です。
チーム向けAdobe Substance 3D Collectionプランには、4つのアプリ、100の3Dアセット、1TBのストレージ、と簡単なライセンス管理が含まれ、12,188円/月(税込)(初年度9,768 円/月)です。
価格の確認はこちらから
また、Steam で2022年末まで無料アップデートが可能なPainter、Designer、Sampler、Stagerの永久ライセンスの購入が可能です。(Substance 3D アセットプラットフォーム(以前の Substance Source)へのアクセス権限は含まれていません。)価格はそれぞれ15900円です。
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