2022年6月8日(現地時間)- Pablo Dobarro氏(Sparseal SL) は、iPad用のリトポロジーアプリの最新アップデート CozyBlanket 1.4 をリリースしました。
今回は CozyBlanket 1.4の新機能に加えて、CozyBlanket 1.3で追加された新機能とCozyBlanket 1.5で搭載予定の機能もあわせて紹介したいと思います。CozyBlanketの基本的な機能については以下の記事をご覧ください。
https://cginterest.com/2022/04/12/ipad%E7%94%A8%E3%83%AA%E3%83%88%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA-cozyblanket-%E3%81%8C%E6%AD%A3%E5%BC%8F%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%EF%BC%81/
CozyBlanket 1.3
2022年5月4日(現地時間)にリリースされたCozyBlanket 1.3では、5 つの新しいアクションが備わったギャラリー、カスタマイズ可能な UI、EditMesh コマンド、Extend Boundary、Draw Strips および Bridge ジェスチャ、頂点ピン、変形ツールなどが導入されました。これらの新機能は有料オプションのRetopology Packに含まれています。
CozyBlanket 1.3 introduces the Gallery with 5 new actions, customizable UI, EditMesh commands, Extend Boundary, Draw Strips and Bridge gestures, vertex pins, transform tools and more.
Available now. pic.twitter.com/mWAPn8X3W1— Sparseal (@sparseal) May 4, 2022
上記の動画では以下の新機能が紹介されています。
■Action Gallery
Action Galleryは、ペンシルで使用可能なすべてのアクションを含む新しいメニューで、タップまたはツールバーのスロットにドラッグして使用することができます。
- アイテム(ツールアイコン)をダブルタップすると、その項目がツールバーにすばやく追加されます。セパレータの下にあるアイテムは置き換えられ、残りの項目もそれに応じて並べ替えられます。
- アイテムを一度タップすると、選択したアクションに関するビデオや追加情報を含むヘルプパネルが表示されます。
- ギャラリーからツールバーの小さなスロットにアイテムをドラッグすると、ツールバーに新しいボタンが追加されます。ツールバーには、最大14個のスロットがあり、小さなボタンは1スロット、大きなボタンは2スロットを使用します。
- ギャラリーから既存のボタンにアイテムをドラッグすると、そのボタンのアクションを置き換えることができ、ツールバーのアイテムを空いたスペースにドラッグすると、アイテムを削除することが可能です。ツールバーの設定は、セッション間で保存されます。
■ExtendB
ExtendB(Extend Boundary)は、境界線を延長するアクションです。3つ以上の境界頂点からなる連続したパスを描くと、ExtendBが有効になります。カメラを動かすと、ExtendBは境界線選択に接続された新しいクワッドストリップを作成することができます。ペンシルアクションで同じ境界の3つ以上の頂点に線を引くことでアクティブにすることも可能です。
- ExtendB は、アクティブな境界の頂点と辺の数を表示します。
- clearを押すと、次のExtendBアクションがキャンセルされます。
- Extendを押すと、1つのストリップが作成され、引き続きストリップを作成するために境界が保持されます。
- Extend Onceを押すと、1つのストリップが作成され、アクティブな境界がクリアされます。
- ”Automatic Steps”がアクティブな場合、ExtendB はカメラを移動しながらストリップを作成します。
■StripD
StripD(Draw Strips)は、ストリップ(帯状の形状)を描くことができるアクションです。
境界の四角いエッジからドラッグすることで、四角形の帯を描き始めることができます。四角形の帯はストロークに沿い、既存の四角形と結合します。StripD は、ペンシルを動かさずに境界エッジを長押しすることで、ペンシルアクションと一緒に起動することもできます。
■TransfV
TransfV(Transform Vertices)は頂点のセットを作成し、そのトランスフォームをスクリーンスペースにロックします。カメラを動かすことで、モデル上で頂点を移動、回転、拡大縮小することができます。
■PinFlip
PinFlipは、 ピンとピンフリップのためのアクションで、ピンを追加または削除することができます。PinFlip アクションが固定された頂点の上で開始された場合、PinFlip はピンを削除します。そうでなければ、PinFlip はピンを追加します。
ピン留めされた頂点は黄色の円形でレンダリングされ、リラックスや移動のアクションの影響を受けなくなります。
■MergeP
MergePは、ペアを結合するアクションです。2つの頂点からもう1つの頂点へ線を引くことで、2つの頂点を結合することができます。
■TopBar EditMesh パネル
EditMeshのデータを変更するコマンドを集めたパネルが追加されました。以下のコマンドが利用可能です。
- EditMeshの全ての頂点をSnap、Relax
- SubdivideとTriangulate
- ループタグのクリアとピンのクリア
■Patch CloneのUIを刷新
パッチクローンがスクリーン下部のパネルに表示されるようになりました。
その他の機能や修正は、アプリのアップデート履歴から確認することができます。
CozyBlanket 1.4
CozyBlanket 1.4 には、部分可視化、設定可能な不透明度とオクルージョン、グリッドフィル、オートリラックス、設定可能なビューポート解像度、三角形の構築とループ情報を表示するアクション、ドキュメントバージョン管理などの新機能が追加されました。これらの新機能は有料オプションのRetopology Packに含まれています。
CozyBlanket 1.4 includes partial visibility, configurable opacity and occlusion, grid fill, auto relax, configurable viewport resolution, build triangles and loop information actions, document versioning and more.
Available now. pic.twitter.com/gFc8TCUhiW— Sparseal (@sparseal) June 8, 2022
上記の動画では以下の新機能が紹介されています。
■部分的な可視化
何もないところから閉じた図形を描き、editmeshを横切ると、シーンのその部分を隠すことができるようになりました。
空いたスペースに下向きの直線を引くと可視性が反転、上向きに直線を引くとシーン全体が表示されます。新しいVShowLとVHideLアクションでは、ペンシルジェスチャーを使用しなくてもこれらの可視化操作を行えます。
■ビューポートオプション ポップオーバー
ビューポート上のEditmeshの不透明度をとオクルージョンを手動でコントロールできるようになりました。
■Auto Relax
Editmesh ポップオーバーでは、Auto Relaxを有効にすることができます。Auto Relaxは、各操作の後、自動的に周囲のトポロジーをスライドさせて調整し、四角形の分布を均等に保つことができます。
■LoopInf
loopinfアクションは、カーソル下のエッジループについて、頂点やエッジ数、境界情報、スナップ情報、終点情報などの情報を表示します。内部エッジの上でペンシルツールを長押しすることでアクティブになります。
■MergeP
MergePは、隣接する2つの三角形を四角形に結合できるようになりました。
■BuildT
BuildTは、既存のトポロジから三角形を作成する新しいアクションで、エッジからドラッグして、新しい三角形を作成できます。内側のコーナーからドラッグすると、2つの三角形が作成され、離すと既存のトポロジーと自動的に結合されます。
■Boundary Grid Fill
トポロジーのパターンを作成して境界を埋めることができるようになりました。四角形と三角形の両方がサポートされています。Grid Fillの方向と間隔は、アンカーアイコンを頂点上で動かして調整することができます。
■境界線の自動選択
完全に可視化された境界の頂点の上でペンシルを押し続けると、境界線を自動で選択することができます。すべての頂点を手動で選択することなく、ExtendBを使用するときに便利です。
■強制保存とドキュメントのバージョンアップ
現在開いているドキュメントを強制的に保存し、再読み込みするオプションと現在のドキュメントの新しいバージョンを保存し、異なる名前のドキュメントのコピーを作成する新しいオプションが追加されました。
その他の機能や修正は、アプリのアップデート履歴から確認することができます。
今後搭載予定の機能
2022年6月11日(現地時間) – CozyBlanket 1.5で追加される新機能情報が公開されました。
CozyBlanket 1.5では、ローカルネットワーク上でジオメトリをストリーミングすることにより、デスクトップソフトウェアやパイプラインとの統合がサポートされます。デバイス間でのエクスポートやファイルの移動はできないようです。
以下の公開された動画では、Blenderで作成したモデルをCozyBlanketを使用してリトポロジーする様子を確認することができます。iPad上で追加したメッシュはリアルタイムでBlenderにも追加されています。
— Pablo Dobarro (@pablodp606) June 10, 2022
CozyBlanket 1.5 will support integration with desktop software and pipelines by streaming geometry over the local network. No exporting or moving files between devices.
Now in beta, expected release in the upcoming weeks. pic.twitter.com/DeXcYpYwJI— Sparseal (@sparseal) June 10, 2022
CozyBlanket 1.5は、現在ベータ版で、今後数週間のうちにリリースされる予定です。
価格とシステム要件
CozyBlanketは iPadOS 14.0以降で利用可能です。
アプリは無料でダウンロードして試してみることができます。
エクスポート、保存、追加のリトポロジー機能は、1回のアプリ内課金「Retopology Pack」でアンロックできます。価格は11000円(89.99ドル)です。
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