2022年5月12日(現地時間) – オープンソースのリアルタイム3D開発エンジン Open 3D Engine の2022年最初のメジャーリリース、バージョン 22.05.0 がリリースされました。
新機能ハイライト
このリリースでは、バグ修正、QOLの向上、機能追加を含む1,469のコードが提出されました。
ユーザー定義プロパティの導入
ソース アセットから Asset Processor にメタデータを読み込む方法であるユーザー定義プロパティ(UDP – User Defined Properties)が導入されました。
UDPは、コンテンツ作成ツールに割り当て、メッシュ、ライト、アニメーションノードなどの階層ノードに関するカスタムプロパティを保存し、O3DEのアセット生成ワークフローを強化することが可能です。
これにより、MayaやBlenderなどの連携が強化されます。例えばUDPを使用すると、Blenderで壁のメッシュノードにレンガのマテリアルを割り当てると、O3DE Editorでマテリアルを割り当てる必要がなくなります。
UDPについてより詳しい情報はこちらのブログ記事で確認できます。
モーションマッチング
このリリースには、モーションマッチング用の実験的なGemが含まれています。
O3DEのアニメーションシステムEMotion FXに、ブレンドツリーノードとしてモーションマッチングが導入され、アニメーショングラフで利用できるものと一緒に使用・混合できるようになりました。
サンプルのGemには、ゲームパッドで操作可能なキャラクターのプレハブが含まれています。サポートされている機能と内部動作の詳細については、GitHub リポジトリの Motion Matching Gem コードでご確認ください。
Atomの改良
Open 3D Engine (O3DE)を動かすグラフィックエンジンAtomにいくつかの改良が加えられました。
■カスタムパス
以前レンダリングパイプラインに新しいパスを導入する場合、プロジェクト開発者は、既存のアセットを変更するか、レンダリングパイプライン全体をコピー&ペーストする必要があり面倒でしたが、Gemsはランタイムにレンダリングパイプラインにカスタムパスを挿入する機能を持つようになりました。
■新しいAPI
レンダーパイプラインのカスタマイズを容易にする、新しいAPIセットが利用可能になりました。これは、TressFX、Terrain、およびLyShine Gemsですでに使用されています。
APIの詳細については、O3DEのwikiドキュメントでGemsでのパス開発についてをお読みください。
■マテリアルタイプの再利用
コピーアンドペーストをさらに減らすために、マテリアルタイプはAtomでより再利用しやすくなりました。マテリアルJSONファイルは、ベースプロパティをロードするために別のファイルを参照し、サブマテリアル用にカスタマイズする必要がある値をオーバーライドすることができます。
この機能についての詳細は、Remixable Material Types RFC を参照してください。
Multiplayer Gem
Multiplayer Gem がプレイヤー・エンティティのスポナーをサポートするようになりました。これにより、プロジェクト開発者は、セッションに参加したときにユーザが制御するエンティティが表示される場所を設定できるようになります。
これは、Multiplayer Gemを使用するすべてのプロジェクトのメモリ所有権への重要な変更であるため、開発者はO3DE Multiplayer Sample .NET Frameworkで使用されているスポナーロジックの例を参照することが推奨されています。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
また、このリリースからリリースノートに機能グリッドというものが追加され、O3DEの各機能の現在の開発状況を確認することが可能となっています。
ダウンロード
O3DEは、
モジュール式のオープンソースでクロスプラットフォームな3Dエンジンです。
使用料や商業的な義務はなく、Apache 2.0ライセンスで利用可能です。
O3DE最新版のダウンロードはこちらから(windows / Linux)
コメント