2022年5月17日(現地時間) – Adobeは、Substance 3D Sampler 3.3(旧Substance Alchemist)をリリースしました。このバージョンのコードネームは ズッキーニ (Zucchini)となっています。
新機能ハイライト
このリリースでは、マテリアルや環境ライトをより簡単に作成、編集するための機能が導入されています。
コンテンツに応じた塗りつぶし(Content-Aware Fill)
コンテンツに応じた塗りつぶし(Content-Aware Fill)は、Adobe Photoshopに搭載されている機能で、周囲の整合性を維持しながら画像の細部を削除することができます。最近ではiPad版のPhotoshopにも搭載されました。
Substance 3D Samplerでもこの技術を使用して、PBRマテリアルや環境ライトのクリーニングが可能になりました。PBRマテリアルでは、Content-Aware Fillが全チャンネルに適用されます。各チャンネルを個別に処理する必要はありません。
コンテンツに応じた塗りつぶしは、タイリングする際に繰り返しを避けるために大きな要素を削除したり、スキャンした布の小さな欠陥を削除したりするのに役立ちます。また、360°パノラマ画像では、地面にある小さな物体、壁に描かれた絵画、背景に立っている人物を削除したりも可能です。
IBLオーサリング
■球体投影(Spherical projection)
環境光や360度画像を通常の画像として表示した場合、編集が困難になることがあります。新しい球体投影では、360°ナビゲートし、Nadir Patch、Content-Aware Fillなどの専用ツールを使用して、すべてのプロシージャルライトを歪みなく編集することができます。例えば、直線の編集やクリーニング、カメラの三脚の取り外し、ラインライトの配置などが簡単にできます。
以下の動画では、360カメラで撮影した写真から3D照明環境を作成する方法が確認できます。
■露出(Exposure)スライダ
2Dビューでは、編集中の環境の露出不足または露出過多の部分の詳細やオブジェクトを見やすくするために、一時的に露出を変更することができるようになりました。
■専用ビューア設定
ビューアの設定は、アセットのタイプ(マテリアルまたは環境ライト)ごとに保持されるようになりました。アセットタイプごとにメッシュ、デフォルトテクスチャ、カメラの視野を設定できるので、アセットタイプを簡単に切り替えて、適切な状況で作業することができます。
改良されたウィジェット
■クローンスタンプ
1つのレイヤーで様々なソースで複数のスタンプストロークを描くことができ、レイヤースタックでスタンプ履歴にアクセスすることができるようになりました。
また、ペイント前にブラシプレビューでスタンプの結果を直接確認できるようになったので、マテリアルのクリーニングが容易になり、ビュー間の行き来を少なくできます。
■クロップとトランスフォーム
[Crop]および[Transform]ウィジェットの操作に新しいショートカットが導入されました。
■ブラシツールバー
新しい UI は、Fresco などの最新の Adobe 製品のようにツールバーを 2D ビューの任意の場所に移動し、縦または横に表示することができます。
ペイント中は、Eキーでブラシと消しゴムを切り替え、新しいタイリングオプションを使用して、ペイントする内容をよりよくコントロールできます。
Image to Material(AI搭載)
■タイリングの保持
Image to Material(AI搭載)に新しいオプション『 Preserve tiling 』が追加されました。タイル化可能なイメージのタイル化を保持できるようになり、マテリアルのタイル化の時間が短縮されました。
相互運用性
■Stagerへのマテリアルの送信
環境ライトをStagerに送信することは既に可能でしたが、DesignerやPainterと同じように、ワンクリックでStagerにマテリアルを送信できるようになりました。この機能により、マテリアルをパブリッシュし、個別のファイルとしてStagerに読み込む必要がなくなりました(新しいマテリアル・マネージャを備えたStagerバージョン1.2.0が必要です)。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
Substance 3D Sampler 3.3は、Windows 10 (64bit, version 1909)以降、Mac OS 10.14 (Mojave)、Linux CentOS 7.0、Ubuntu 18.04 (Steam only)で利用できます。
Substance 3D Sampler は、Adobe Substance 3D アプリのサブスクリプションプランに含まれています。
Adobe Substance 3D Texturing プランには、Painter、Designer、Samplerアプリと、月に最大30の3Dアセット(マテリアルのみ)が含まれ、価格は2,398 円/月(税込)です。
Adobe Substance 3D Collectionプランには、Painter、Designer、Sampler、Stagerアプリと、1か月あたり最大50の3Dアセット(マテリアル、モデル、およびライト)が含まれ、6,028円/月(税込)です。
チーム向けAdobe Substance 3D Collectionプランには、4つのアプリ、100の3Dアセット、1TBのストレージ、と簡単なライセンス管理が含まれ、12,188円/月(税込)となります。
価格の確認はこちらから
また、Steam で2022年末まで無料アップデートが可能なPainter、Designer、Sampler、Stagerの永久ライセンスの購入が可能です。(Substance 3D アセットプラットフォーム(以前の Substance Source)へのアクセス権限は含まれていません。)価格はそれぞれ15900円です。
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