2022年4月19日 – Dimension 5 は、建築ビジュアライゼーション向けリアルタイムレンダリングツールの最新アップデート D5 Render 2.2 をリリースしました。
新機能ハイライト
このリリースでは、雨と雪の気象システム、デカールアセット、レイヤー管理機能の追加、植生アセットにおけるGI効果の改善、放出マテリアル(emissive materials)の精度向上をはじめ、多くのアップデートがされています。
Widget
■Merge Project (beta)
この機能は複数のファイルを結合する機能です。Merge Projectベータ版は、Menu > File > Merge projectからアクセスできます。
プロジェクトを結合するには、少なくとも2つのファイルを選択し、それらのモデル、ライトオブジェクト、シーンなどを結合するかどうかを選択する必要があります。基本的には、チェックされた項目はマージ結果に残り、チェックされていない項目は削除されます。
■プロジェクター
Projectorは、長方形の投影効果を持つ新しいタイプの光源です。jpg/png/bmpなどの画像形式と、mp4/avi/wmvなどの動画形式に対応しています。
プロジェクターをシーンに追加した後、インスペクタでそのパラメータを調整することができます。コーン角と減衰半径は投影範囲をコントロールし、UVパラメータは画像やビデオの位置や大きさをコントロールするのに使います。霞のような効果を出すには、事前に Environment – > Weather – > Fog で Volume Light をオンにする必要があります。
Rendering
■気象システム:雨と雪
雪と雨のシステムが追加され、強度とポンディングのパラメータが調整できるようになりました。以下のようなコントロールが可能となっています。
- 雨と雪のスライドバーではバーを両端に近づけると降水速度が速くなります。
- 強さ(Strength)のパラメータでは、小雨から本格的な豪雨まで、冬枯れの吹雪からホワイトアウトの吹雪まで、雨粒や雪片の大きさや密度をコントロールすることができます。
- ポンディング(Ponding)は、降水による地面への影響の度合いをコントロールするためのパラメータです。値が大きいほど、地上の水溜りや雪が大きくなります。値が 0 の場合は、池や雪は発生しません。
■新しいエフェクト:色合い、ビネット、色収差
次の3つの新しいエフェクトが追加されました。
- 色合い(Tint):グリーンとマゼンタの範囲を調整することで、色温度パラメーターと協調して、シーンのホワイトバランス調を調整することができます。
- ビネット(Vignette):写真の中心部よりも四隅を暗くすることで、現実世界におけるカメラレンズの四隅の明るさを緩やかに減少させるグラデーションエフェクト
- 色収差(Chromatic Aberration):カラーフリンジとも呼ばれ、現実世界のカメラレンズの色ずれによる分散現象をシミュレート。
■放出マテリアルの減衰の精度を向上
■植生アセットにおけるGI効果の改善
Feature
■レイヤー管理
左サイドバーにレイヤーリストが追加され、シーンリソースを簡単に分類・管理できるようになりました。
シーンには常にデフォルトのレイヤーが存在し、 “+” をクリックすると、新しいレイヤーが作成されます。一度にアクティブにできるのは1つのレイヤーだけです。オブジェクトの現在のレイヤーは、右サイドバーのインスペクタで表示および編集することができます。オブジェクトのレイヤーを変更するには、ドロップダウン・リストで変更するだけです。
レイヤーリストでは、レイヤーのロックと非表示がサポートされています。レイヤーがロックされると、そのレイヤーにあるすべてのオブジェクトがロックされます。非表示のレイヤーにあるオブジェクトもすべて非表示になり、レイヤーに追加されたオブジェクトはすぐに非表示になります。
「削除」ボタンを押すと、現在のレイヤーとその中にあるすべてのオブジェクトが削除されることに注意してください。
■ブラシの記録
モデルにオブジェクトをペイントまたは散布した後、モデルをクリックすると、右サイドバーにブラシレコードが表示されます。
ペイントしたオブジェクト/植物に関する情報は、これらのレコードで提供され、それぞれ個別に非表示や削除が可能です。さらに、レコード内の植物の組み合わせは、ブラシや消しゴムで再利用することができます。ブラシレコードを右クリックすると、削除や名前の変更ができるので、シーン内のアセット管理が容易になります。
■DOF効果のためのフォローフォーカスをサポート
Camera >Depth of Field の中に、選択したオブジェクトにピントを合わせるための距離を自動的に調整することができる、フォローフォーカスオプションが追加されました。
■その他
- skp2022 モデルの直接インポート
- exr 形式の HDRI に対応
- オブジェクトリストのソート順の最適化
- 最後のレンダリングのパラメータを保持
- カメラ移動のアクセラレーションを最適化
- シーン内のアセットを更新する際に「キャンセル」ボタンを追加
Productivity
このリリースでは以下のようなパフォーマンスの向上がされています。
■大規模シーンのメモリ使用量を削減
テクスチャストリーミングのさらなる最適化により、大きな空間を持つシーンでのビデオメモリ使用量が改善されました。
■複数光源のリアルタイム反射効率の最適化
シーン内に多くの光源がある場合、リアルタイムプレビューの反射・屈折をハイパフォーマンスモードに切り替え、FPSの向上を図ります。
■オブジェクトリストの性能向上
左サイドバーのオブジェクトリストは、最大5000までサポートするようになりました。
Assets
新しいアセットが追加されました。また、アニメーションアセットの最適化なども行われています。
■デカールアセットの追加
道路標識、破損した壁、水垢、落書きなどのシーン内の任意のモデルサーフェイスに配置できるデカールアセットアセットが追加されました。
すべてのデカールアセットは、デカール自体のベースサイズや投影の影響範囲など、サイズの調整に対応しています。デカールの投影方向は、デフォルトでX軸の正方向。デカールのバウンディングボックス内のオブジェクトは、デカールの投影の影響を受けます。シーンに配置すると、右側のサイドバーでデカールのマテリアルを編集することが可能です。
■乗り物に「ダイナミック」「左ハンドル」オプションが追加
■Landscapesカテゴリに雪モデルを追加
■人造大理石、ウォールタイル、ルーフタイル、水系マテリアルの追加
■静的車両モデルの追加
■キャラクターモデルのモーションアニメーションを最適化
■乗り物モデルの効率化の最適化
以上ですが、他にも多くのアップデートがされています。その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
D5 Render 2.2は、DXRをサポートするWindows v1809以降で利用できます。少なくともNVIDIA GeForce GTX 1060 6GBが必要となります。より詳しいシステム要件やビデオカードでのパフォーマンス比較の確認はこちらから
価格は、Proライセンスが38ドル/月または360ドル/年 となっています。Communityライセンスでは、widgetやクラウドベースアセットライブラリへのアクセスが制限されますが、無料で使用できます。
価格と機能比較表の確認はこちらから
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