Arnold 7.1 がリリース、OptiX 7 デノイザー、triplanarシェーダー、USDとHydraの改善など

プラグイン

2022年3月30日(現地時間)- Autodeskは、グローバルイルミネーションレンダリングソフトウェアの最新アップデート Arnold 7.1.0.0 をリリースしました。

機能強化ハイライト

Arnold 7.1.0.0では、NVIDIAのOptiX 7 Denoiser、Triplanarシェーダの改善、USD プロシージャルと Hydra Render Delegate の新機能とバグ修正、および CPU と GPU のインタラクティブ性に関する改善などがされています。

また、同時にArnold 7.1.1.0もリリースされています。Arnold 7.1.0.0は、Maya2023と3dsMax2023に含まれているようですので、そのあたりの兼ね合いかと思いますが合わせて紹介したいと思います。

OptiX 7 デノイザー

Optix 6からOptix 7 デノイザーへのアップグレードがされました。新しいデノイザーは、合成可能な方法でのAOVノイズ除去をサポートしています。

以下の動画では、MayaとCinema4Dでノイズ除去を使用している様子を確認できます。


Triplanarシェーダ

Arnold Triplanarシェーダの機能が強化され、UV マップを使用しなくても、投影方向ごとに特定のテクスチャを使用できるようになりました。

flip_on_opposite_direction という新しいパラメータを使用すると、対応する負の軸に面するシェーダの動作をコントロールすることもでき、Maya のTriplanarシェーダのビューポートプレビューとの一貫性が保たれます。

input_per_axis (Y) を使用すると、以下の動画のように雪、ほこり、砂、苔など、さまざまなシェーディングエフェクトを適用できます。

CPU と GPU のインタラクティブ性の向上

複数の最適化が行われ、シーンをインタラクティブにレンダリングするときのユーザ エクスペリエンスが向上しました。固定された最小フレーム レートを適用することにより、負荷の大きいシーンをレンダリングする場合のインタラクティブな GPU レンダリングが向上しています。

USD

USDはそれぞれのバージョンで次のような機能強化がされています。

■Arnold 7.1.0.0

  • ポイントインスタンサーの改善:インスタンスごとのprimvarsとネストされたインスタンサーは、プロシージャルとレンダリングデリゲートの両方で扱われるようになりました。
  • メッシュのビルトイン法線:メッシュ法線に対して、プロシージャがビルトインされた USD の記述を読み込むようになりました。
  • Curves UVs:プロシージャルは、ストランドごとのprimvarsに対して、カーブのUVをサポートするようになりました。
  • ライトリンク:プロシージャルでのライト/シャドウリンクで ignoreRoots が正しくサポートされていませんでした。
  • シャドウパラメータ:プロシージャルでは、シャドウパラメーター(有効、色)を USD ライトから読み取るようになりました。
  • 配列アトリビュートへのシェーダー接続:レンダーデリゲートは、配列アトリビュートへのレンダリングシェーダー接続をサポートするようになりました。これは、ランプにシェーダー接続を持たせる場合などに必要です。
  • レンダータグ:レンダーデリゲートでレンダータグが考慮されるようになりました。
  • プロシージャルの検索パス: ネストされたプロシージャルをロードするときに、USD が procedural_search_path オプションを適切に考慮するようになりました。
  • UsdSkelによるモーションブラー:ロシージャルがスキニングのベイクに使用する間隔を拡張し、周囲の整数フレームを含むようになりました。

■Arnold 7.1.1.0

  • USD ライターで defaultPrim をオーサリング: Arnold シーンが USD として保存されると、defaultPrim がオーサリングされるようになりました。これは、ネストされたインスタンスに必要となります。
  • ArnoldOptions を強制的にエクスポートしないように: USD ファイルのエクスポート時に、オーサリングされたフレームのリストをカスタム メタデータとして usd ファイルに保存するようになり、ArnoldOptions プリミティブを強制的にエクスポートする必要がなくなりました。
  • マテリアルのスコープの下にシェーディングツリーを書き込む:シェーディング ツリーをオーサリングする際、シェーダーがマテリアルの階層下に書き込まれるようになりました。usd#1067
  • Hydraでの速度/加速(velocity/acceleration)のサポート:さまざまなトポロジーを持つメッシュやカーブ、および速度または加速度プリムがレンダーデリゲートでサポートされるようになりました。
  • Hydraのデフォルトのサブディビジョンレベルを下げる: Solarisの異なるサブディビジョン品質設定は、Arnoldのサブディビジョンでは高すぎた(0, 2, 4, 8)の代わりに、(0, 1, 2, 3) subdiv_iterations として解釈されるようになりました。
  • usdファイルをレンダリングする際のarnold-usdスレッドの量をコントロール:新しい環境変数ARNOLD_USD_READER_THREADSにより、usdファイル上でキックを実行する際にusdデータをarnoldに変換するためにarnold-usdスレッドをいくつ使用するかコントロールすることが可能です。デフォルト値は 0 で、すべてのスレッドが使用されることを意味します。
  • Hydra で光源温度のサポート:Usdネイティブライトには、光源温度属性があり、レンダーデリゲートでサポートされるようになりました。
  • Hydra でメッシュをスムージングすることをデフォルトに:レンダーデリゲートで、usd プロシージャルのように、メッシュをデフォルトでスムージングするようになりました。
  • AiSceneLoad を呼び出す際に使用する RenderSettings を指定:カスタムパラメータ render_settings で、Arnold オプションノードにエクスポートする RenderSettings プリミティブを制御することができます。

その他

■Arnold 7.1.0.0

  • 安定性の改善:特に複数のレンダリングセッションを使用する場合のArnoldの安定性が改善されました。
  • IPRでイメージャを実行するオーバーヘッドの削減:イメージャは、プログレッシブパスまたはバケットの更新のたびに常に実行されなくなりました。これにより大幅な高速化が可能になります。
  • 大気シェーダーによる起動時間と更新時間の改善:  volume_scatter大気シェーダーで多数のAAサンプルを使用する場合のレンダリングの開始とパラメーターの更新が、大幅に高速になります。
  • MaterialXを1.38.3に更新
  • Alembicを1.8.3に更新
  • ピクセルごとのイメージャの高速化:各ピクセルで独立して実行できるイメージャのオーバーヘッドを排除しました。たとえば、露出とトーンマップのイメージャが大幅に高速化されています。
  • OIIOを2.4.0にアップグレード

■Arnold 7.1.1.0

  • IPR中にイメージャが実行される頻度を調整:オプション設定にoptions.imager_overhead_target_percent が追加され、レンダリング中のイメージャの実行頻度を制御するのに使用できるようになりました。
  • Noiceイメージャがレンダリング終了時にのみ実行:インタラクティブ IPR では一般的に遅すぎる Noice イメージャは、レンダー中に実行されなくなり、代わりにレンダーパスの終了時にのみ実行されるようになりました。
  • インスタンサーで特定のインスタンスに対するオーバーライド:すべてのインスタンスに対して値を指定する代わりに、インスタンサーノードで instanceidxs_ prefix のユーザーデータ配列を宣言することで、特定のインスタンスに対するオーバーライドを定義することができます。
  • OpenVDBボリュームの参照時間:グローバルオプションのreference_time属性は、グリッドデータが存在する時間としても使用されるようになり、速度モーションブラーはこの参照時間からの相対的なものとなります。

その他アップデート内容の確認はこちらから

価格とシステム要件

Arnold 7.1は、Windows 10以降、macOS 10.13 以降、glibc2.17およびlibstdc ++ 4.8.5(gcc 4.8.5)を搭載したLinux(RHEL / CentOS7と同等)で利用できます。

価格は、Arnold の購入価格は、1 ヵ月サブスクリプションが 7,700円、1 年サブスクリプションが 60,500円、3 年サブスクリプションが 173,700円です。

レンダーファームでArnoldを使用していてマルチユーザーライセンスが必要な場合は、認定販売パートナーから 1 年または 3 年のマルチユーザー サブスクリプションが購入可能です。

Arnoldはプラグインとして、Maya、3ds Max、Houdini、Cinema 4D、Katana、およびSoftimageで使用できます。Arnoldライセンスを購入すると、すべてのプラグインを使用できます。

最新のArnoldを使用するには、最新のプラグインが必要です。詳しい情報はこちらから


arnold 7.1Arnold ウェブサイトへ

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