2022年3月29日(現地時間)Autodeskは、ビジュアライゼーション、ゲーム、アニメーションのための3Dモデリングおよびレンダリングソフトウェア の最新アップデート 3ds Max 2023 をリリースしました。Maya2023と同時にリリースされ、ロゴも新しくなりました。
新機能ハイライト
このリリースでは、個人およびチームの生産性、最新アセットの作成、リアルタイム ワークフローに重点が置かれています。
リトポロジーツールの改善
■リトポロジの前処理
3ds Max のリトポロジ ツールが大幅に改善されました。リトポロジを計算する前の前処理段階でモデルを再メッシュするオプションを有効にすることで、設定と準備の負担を減らしながら、より大量のデータを処理することができます。
前処理を行うと、モデルを準備する追加手順(事後最適化や InstantMeshes を使用したリトポロジ手順など)を実行しなくても、より良い結果を短時間で得られます。
■リトポロジ データの伝達
[表示モード](Display Mode)プルダウン メニューを使用すると、リトポロジ アクションの入力メッシュおよび出力メッシュの結果を表示できます。
最新のリトポロジ ツールは v1.2となり、インストールするには、「インストール手順」を参照してください。
[作業基点スナップ](Snap Working Pivot)
作業基点(ピボット)を変更する新しい方法が導入されました。この新しい方法では、[ツール](Tools) > [作業基点スナップ ツール](Snap Working Pivot Tools)を選択することで、カスタマイズ可能な多数の基点機能にアクセスすることが可能です。
スマート押し出しの使用、ボーンの追加、リギングなどのさまざまな機能を実行しながら、作業基点を調整することができます。
- [作業基点を配置](Place Working Pivot): アクティブにすると、作業基点をクリックして、シーン内のアクティブ オブジェクトの任意の頂点、エッジ、面のコンポーネント、またはこれらのコンポーネントの中点に配置できます。
- [作業基点を位置合わせ](Align Working Pivot): アクティブにすると、軸をクリックしてドラッグすることで、作業基点の軸方向をインタラクティブに調整することができます。調整した軸は、アクティブ オブジェクト上の他の有効な頂点、エッジ、または面コンポーネントにスナップされるため、基点を再度位置合わせできます。
- [選択基点](Selection Pivot): 現在選択されている頂点、エッジ、または面の平均に作業基点の位置と方向を合わせることができます。
- [作業基点からポイントを作成](Create Point From Working Pivot): 新しい基点ヘルパー オブジェクトがシーンに追加され、作業基点の位置と方向に位置合わせされます。これにより、基点を追加して頂点、エッジ、または面に位置合わせする作業が以前よりも簡単になります。
- [作業基点からグリッドを作成](Create Grid From Working Pivot): 作業基点の現在の位置と方向に位置合わせされたカスタム グリッドを作成し、シーン内の他のグリッド拡張ツールを使用して滑らかに作業できるようにします。
- [基点バウンディング ボックスを配置](Place Pivot Bounding Box): アクティブにすると、現在アクティブな選択に基づいて、シーン内でスナップ ポイントの追加セットを使用できるようになります。[作業基点を配置](Place Working Pivot)を使用すると、最大 24 個の位置を追加できます。
glTF マテリアルとエクスポータ
glTF マテリアルを使用して、3ds Max ファイルをコンパクトな .gltf または .glb ファイルとして書き出すことが可能となりました。
3ds Max 2023 の glTF のサポートには、以下が含まれます。
- シーン ジオメトリおよび新しい glTF マテリアルを書き出す新しい glTF エクスポータ。
- glTF にパブリッシュしたアセットがどのように見えるかを正確に表現して、ユーザのワークフローを最適化する新しい glTF マテリアル。
こちらからサンプルシーンのダウンロードが可能なようです。
[自動バックアップ](Autobackup)ツールバー
新しい[自動バックアップ](Autobackup)ツールバーが 3ds Max の既定のユーザ インタフェースに追加されました。
このツールバーでは、自動バックアップ プロセスを単純な方法で視覚化し、操作することができます。新しい自動バックアップ タイマで自動バックアップがアクティブになるタイミングを、ツールバーのメニューを直接使用して確認することができます。また、自動バックアップの保存をスキップしたり、自動バックアップの設定を調整するコントロールもあります。
オートデスク標準サーフェスに準拠するフィジカルマテリアル
オートデスク標準サーフェス準拠(Autodesk Standard Surface Compliant)という名前の新しいフィジカルマテリアルモードが導入されました。
このモードを使用すると、3ds Max 内のフィジカルマテリアルを Maya のオートデスク標準サーフェスに 100% 準拠させることができます。
この変更をサポートするため、FBX はフィジカルマテリアルを完全にサポートするようになり、3ds Max と Maya の間でマテリアルを送信する際にデータが失われることはなくなりました。
Arnold レンダラー(MAXtoA)
3ds Max 2023 には MAXtoA 5.1.0 が組み込まれていて、新機能の追加、バグ修正、パフォーマンスの最適化、プロダクションの改善が行われています。
詳細については、「MAXtoA 5.1.0 リリース ノート」を参照してください。
また、すでにArnold 7.1.1.0 用のMAXtoA 5.2.0 もダウンロード可能になっています。このバージョンには、シーンの構築中または作業中に、ビューポートにボリュームオブジェクトを直接表示することができる新しいビューポートボリューム表示機能が組み込まれています。
詳細については、「MAXtoA 5.2.0 リリース ノート」を参照してください。
最新版のダウンロードはこちらから
また、Arnold 7.1については以下の記事をご覧ください。

スマート押し出し(Smart Extrude)
2022.2 Update に含まれるスマート押し出しの部分的なカットスルー機能が、3ds Max の[ポリゴンを編集](Edit Poly)モディファイヤで使用できるようになりました。外向きの押し出しを実行すると、最終結果の部分的なオーバーラップはオーバーラップしているジオメトリとマージ/結合されますが、内向きの押し出しを実行すると減算されます。
その他
- オクルード選択の改善:オクルード選択が以前の 3 倍の速さになりました。
- [UVW アンラップ](Unwrap UVW)のキーボード ショートカット:ユーザから要求のあった[UVW アンラップ](Unwrap UVW)モディファイヤの新しいキーボード ショートカットが、追加されました。
- 圧縮されたシーン ファイルの保存パフォーマンス:新しいアーカイブ ライブラリ、マルチスレッド化、およびその他の最適化により、保存時のシーンファイルの圧縮が以前の約 2 倍の速度で最適化されるようになりました。
- アクティブなマニピュレータ:使用可能なすべてのマニピュレータを表示する代わりに、ユーザがオンに設定したアクティブなモディファイア スタックのレベルにあるマニピュレータのみを表示できるようになりました。
- ビューポートごとのフィルタリング – 複数選択:3ds Max で使用する複数選択オプションと同じスタイルを使用して[ビューポートごとのフィルタリング](Per-Viewport Filtering)ダイアログ ボックスを操作できるようになりました。
- Python 3.9.7 アップデート
- Visual Studio 2019 のサポート
以下は日本語の新機能紹介動画となります。
すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
3dsMax2023は、64ビットWindows 10で利用することができます。より詳しいシステム要件の確認はこちらから
価格はサブスクリプション形式で、36,300円/月、286,000円/年、815,100円/3年となっています。
また、条件にあてはまる方はIndieライセンスを購入することが可能です。こちらも少し値上がりして価格は42,900円/年となっています。より詳しい情報は以下の記事をご覧ください。

コメント