2022年1月11日(現地時間)CGarchitectによって2021年建築ビジュアライゼーションレンダリングエンジン調査結果が公開されました。この調査では、AEC(建築・エンジニアリング・施工)業界のビジュアライゼーション/レンダリングで使用されているソフトウェアの動向を確認することができます。今回も結果を一部引用してデータを紹介したいと思います。
2021年建築ビジュアライゼーション・レンダリング調査は、2021年8月24日から2021年12月16日の間に、CGarchitectのコミュニティ(ソーシャルメディア&メールマガジン)、リアルタイムエンジンや建築ビジュアライゼーションに関連するFacebookグループやソフトウェアフォーラムを通じて回答を収集され、合計で2,526件の回答が寄せられました。
誤差の計算と市場計算のために、特にAECビジュアライゼーション/レンダリングに関わる総市場規模を15万人と仮定し、特に断りのない限り結果は±2%の誤差、95%の信頼度で計算されています。
現在、プロダクションで使用しているレンダリングエンジンは何ですか?
このグラフでは、2019年~2021年の各年でのこの質問に対する回答をまとめています。順番は2021年で回答が多い順で、2%以上のものを抜粋しています。過去3年間の動向を確認することができます。
昨年と上位はほとんど変わっておらず、V-Rayがトップという結果になりました。リアルタイムが勢いがある中でCPUベースのCoronaレンダラーも増加傾向にあります。伸びているEnscapeと合併したことでChaosとしてはさらにシェアを拡大したことになります。
Unreal Engine&TwinmotionのEpic勢力も年々伸びており勢いがあります。3dsMaxやCinema4Dのネイティブレンダラーが減少傾向のなか、BlenderのCyclesは増加傾向になっています。あと昨年からの変化として、2020年にリリースされたD5 rendererがいきなりトップ10に食い込んでいます。
現在、追加のレンダリングエンジンを試していますか?
この調査では過去数年間、大きな変化はありません。50%以上が新しいレンダリングエンジンを試していると回答しています。
現在、テストしているレンダリングエンジンはどれですか?
1つ目のグラフと同様に、2019年~2021年の各年でのこの質問に対する回答をまとめています。順番は2021年で回答が多い順で、2%以上のものを抜粋しています。
(信頼水準95%で誤差±3%以内 )
こちらも昨年と順位にあまり変化はありませんが、Unreal Engineをテストしている人の割合が年々増加しており、AEC業界においてUnreal Engineの使用は今後も増えていきそうです。Unreal Engineほど伸び率はありませんが、多くのレンダラーが減少傾向の中でEnscapeも増加傾向になっています。また、Chaos VantageやD5 rendererなど新しいレンダリングエンジンも良くテストされているようです。
現在使用しているレンダリングエンジンでは伸びていたCoronaもここでは減少傾向になっています。また、同調査で人気のあるLumionも減少傾向にあります。
テストしているレンダリングエンジンを採用する可能性はどのくらいありますか?
2つ目の質問と同様に、この質問の回答でも過去数年間大きな変化はありません。6割以上がテストしているレンダリングエンジンを採用する可能性が高い(やや高い以上)と回答しています。
(信頼水準95%で誤差±3%以内 )
以上です!ぜひレンダリングエンジンを選ぶ際の参考にしていただければと思います。
2021 Architectural Visualization Rendering Engine Survey Results
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