2021年12月20日(現地時間)AMD は、Radeon ProRender の最近のアップデートに関する情報を発表しました。
最近の開発には、Radeon ProRenderのアップデート、Blender® USDプラグインの1.0バージョン、USDを介してMaya®でRadeon ProRenderを有効にする新しいプラグイン、無料のMaterialXオンラインライブラリなどがあります。
ProRenderSDKのアップデート
12月に2021年の締めくくりとして、Radeon™ ProRender SDK 2.02.10がリリースされました。このSDKのアップデートで最も大きな特徴は、Baikalという新しいレンダリングバックエンドが導入されたことです。
新しいレンダリングバックエンドBaikal
Radeon ProRender SDKは、2つのレイヤーで構成されており、一番上のレイヤーがRPR APIレイヤーです。これはシーングラフを管理し、検証やデバッグなどその他多くの機能に使用されますが、レンダリングについてはバックエンドが担うので何も行いません。今回のアップデートにより、Radeon ProRenderは、今回追加されたBaikalと以前からのNorthstarの2つのバックエンドを持つこととなります。Northstarはファイナルレンダリング用で、Baikalはプレビューレンダリング用に設計されています。
BaikalはVulkanで書かれたパストレースレンダラーで、VulkanレイトレーシングAPIを使用して、RDNA™2アーキテクチャのグラフィックスカードに追加したハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングサポートを活用します。新しいレンダリングエンジンなので、Northstarレンダラーの機能をすべて持っているわけではありませんが、MaterialXのサポートなど、いくつかの重要な機能はすでにBaikalに含まれています。以下の画像は、Baikalを使ってレンダリングしたものとなります(画像提供:Nick Nickiforov)。

Northstarレンダラーのアップデート
Northstarレンダラーにもいくつかの新機能が追加されました。
■Radeon ProRender Volumes Fog
前回のSDKアップデートでは、雲や煙のレンダリングに欠かせない heterogeneous volumes のサポートが追加されましたが、今回よりシンプルなボリュームのサポートが導入されました。この機能は、レンダリング時間にそれほど負担をかけませんが、レンダリング画像に深みを与えることができ、、霧やライトシャフトの効果を作るために使用することができます。

■クリッピングプレーン
この機能では、CADアプリケーションでよく使用されるもので、1つまたは複数のプレーンを定義して、シーン内のジオメトリをカットし、シーン内のオブジェクトの内部を表示することができます。

■シャドウカラーコントロール
影の色をにコントロールしたいというユーザーからのフィードバックがあり、今回のリリースでそれが可能になりました。

SDKのサンプルのアップデート
これまでSDKのチュートリアルは基本的なものしかありませんでしたが、カットプレーンのチュートリアルに加え、変形モーションブラー、アダプティブサンプリング、ヘテロジニアスボリューム、カーブ、トゥーンマテリアル、コンターレンダリングなど、高度なサンプルが追加されています。
最新のRadeon ProRender SDKのダウンロードはこちらから
プラグインのアップデート
現在のMayaとBlenderプラグインは、USDプラグインと”クラシック”プラグインの2つがあります。今後AMDはUSDプラグインに注力していくようですが、クラシックプラグインも定期的にバグフィックスやRadeon ProRender SDKの新バージョン用に再コンパイルされる予定となっています。
Blender USD プラグイン
Blender 用 USD Hydra プラグインが正式リリースされました。
単なるインポートとエクスポートにとどまらず、Blenderのノードベースのワークフローを使用してUSDをアセンブルすることができます。プラグインの詳細についてはBeta版の時に紹介した以下の記事をご覧ください。

また、USD と “クラシック” Blender プラグインの両方が Blender 3.0 をサポートしています。

Radeon Pro Render Blender Addon ページへ
Maya USDプラグインベータ
Autodeskは、Mayaで動作する優れたUSDツールをもっており、Hydraレンダリングシステムを統合しているので、どんなUSDデータもすでにMaya内でレンダリングすることが可能です。AMDは、このシステムを使用し、Radeon ProRenderの既存のHydraデリゲートを使用して、Maya内でレンダリングできるプラグインを作成しました。
また、Maya用の “クラシック “プラグインもアップデートされ、メンテナンス修正がされています。

Radeon Pro Render Maya Plugin ページへ
Houdini プラグイン
SideFX® Houdini™は、バージョン18からSolarisシステムでUSDをネイティブにサポートしています。また、最近リリースされたHoudini19ではMaterialXがサポートされています。
Houdiniプラグインの最新のアップデートでは、このシステムをサポートし、ユーザーはRadeon ProRenderプラグインでMaterialXマテリアルを使用できるようになりました。
RPR Final と RPR Interactive
最初に紹介した新しいレンダリングバックエンドの追加に伴い、USDベースのRadeon ProRenderプラグインは、次のようにレンダーモードの名称が変更され、更新されています。
- RPR Final – 以前は「Full」モードと呼ばれていたRPR Finalは、物理的な正確さと画像品質を最大限に生かした最終レンダリングを行うためのものです。
- RPR Interactive – この新しいモードは、インタラクティブ性を高めるために調整されたVulkan®レイトレーシングを使用しています。ライティングにパストレーシングを適用し、様々なノイズ除去やアップサンプリング技術も適用可能。このモードは、Vulkanレイトレーシング拡張をサポートするGPUを搭載したLinux®およびWindows®でサポートされています。
これらのレンダーモードはいずれも MaterialX をサポートしています。
MaterialXオンラインライブラリ

AMDは、無料のMaterialXベースのマテリアルライブラリを公開しました。現在、Radeon ProRenderでは、すべての標準的なMaterialXノードを完全にサポートしています。
また、AMDのすべてのUSDベースのプラグインは、このライブラリからマテリアルをオンデマンドでダウンロードすることができ、ユーザーは自分のマテリアルを提供することができます。
現時点で294ものマテリアルが利用できます。
今後について
2つのオープンソース・ファイルフォーマットであるUSDとMaterialXを使用したレンダリングのサポートに改めて注力することが発表されています。
3D「metaverse」を使ったオンラインコラボレーションは、今日の流行語となっていますが、そのベースのひとつとなるのが、USD™(Universal Scene Description)です。Pixarが開発したこの3Dフォーマットは、3Dデータの共有、合成、コラボレーションを可能にし、多くの3Dコンテンツ制作アプリケーションでサポートされています。
AMDは、早くからUSD Hydra™レンダーデリゲートを介してRadeon ProRenderでUSDをサポートしており、今後もその取り組みは継続されます。来年は、Radeon ProRenderのUSDのファーストクラスのサポートを通じて、コンテンツ作成アプリケーションをサポートすることに重点を置くとのことです。
New renderer backend and more in the updated Radeon™ ProRender SDK 2.02.10
December AMD Radeon ProRender updates – USD, MaterialX, new Materials library, plug-in updates



























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