[懸賞あり]Unity 2022.1 ベータ版が利用可能に

CGソフト

2021年12月9日(現地時間)Unityは、Unity 2022 の最初のパブリックベータ版である Unity 2022.1.0b をリリースしました。

2022.1 ベータ版 新機能

ベータ版には現時点で 2000 を超える修正と 600 を超える新機能と変更点があります。以下新機能の簡単なまとめです。

イテレーション時間の短縮

今回のリリースでは、シーン保存の高速化による再生モードへの移行時間の短縮、マルチスレッドの使用による静的バッチとパーティクルの事前ウォーミングアップの高速化、一部のパッケージの初期化時間のコスト削減などが大きなポイントとなっています。

また関連して、コードを変更してからエディターに反映させるまでの同期を改善するための取り組みも行われています。待ち時間が発生する理由とその対策については、このフォーラムの投稿で確認することが可能です。2022.1 ベータ版のコードに対するイテレーション時間は、今後のベータ版リリースでさらに改善される見込みです。

●スクロールやオブジェクトの選択が高速化され、テクスチャのプレビューやゲームオブジェクトの複数選択も可能になりました。これらの最適化は、大きなプロジェクトに取り組む社内外のパートナーとのコラボレーションの成果の一部です。

●小さなファイルのインポート時間を最大 60% 短縮する重要な最適化が施されています。最後に、大規模な配列を対象とした取り消し操作が最大 100 倍速くなりました。

●取り消し操作を行うシステムに多くの根本的なパフォーマンスの改善が加えられ、UI も Unity 2021.2 にバックポートされています。

●大きなスプライトの読み込みやスプライトのアウトラインの抽出が速くなりました。

●Unity 2021.2 で導入された、Windows、Mac、Linux、WebGL、Android 向けのインクリメンタルなプレイヤービルドのプロセスが、iOS や Xbox 向けのビルド作成にも対応しました。

エディターワークフロー

●視覚的な検索クエリにより、Unity エディター全体で複雑な検索クエリの構築と検索の両方において、、一貫した直感的なユーザーエクスペリエンスが提供されます。これは、検索機能をより活用して、プロジェクト内の適切なアイテムをより速く見つけられるようにすることを目的としています。

プロジェクトを開くときのプログレスウィンドウにキャンセルボタンが追加されました。

●ショートカットマネージャーが改良され、コンテキストに応じたショートカットが優先されるようになりました。この機能では、定義したフォーカス領域内でのみ有効なショートカットを設定することができます。

●パッケージマネージャーに 2 つのワークフローの改善が導入されました。キャッシュの構成と設定を選択できるようになり、パッケージマネージャーのウィンドウ内で、追加、更新、削除したいパッケージを複数選択できるようになりました。

●配布パッケージの増加に伴い、すべての Unity パッケージにパッケージ署名を追加しました。このバージョン以降、ウィンドウまたはマニフェストから直接プロジェクトにパッケージを追加する際に、検証用パッケージの署名が認証がかけられるようになりました。このような仕様とした目的は不適合なパッケージをすべて見つけられるようにすることで、これによって修正が加えられた Unity パッケージをプロジェクトに追加してしまうことを避けることができます。

●新しい実験的パッケージ Dependency Viewer は、プロジェクトの依存関係をすばやく確認することができます。この仕組みの詳細はこちらから

エディタの拡張

このリリースでは、UI Toolkit を使って、より多くの UI ウィジェットにアクセスしたり、プログラムでカスタムシェイプを描いたり、プロパティドロワーを書いたりできるようになりました。

新しいスプラインオーサリングのためのフレームワークは、プレリリース版パッケージとして提供されています。川や道路などを生成するカスタムコンポーネントを作ることで、機能を拡張することができます。スプラインには新しい編集モードが採用されており、標準的な編集ツールやショートカットを使って、スプラインのポイントや接線の編集をすることができます。

GIF

これらの機能を試した感想は World Building フォーラムで共有することができます。

プロファイリングと実行時パフォーマンス

●IL2CPP スクリプティングバックエンドは、すべての汎用メソッドの完全な共有バージョンを常に生成するようになりました。これにより、コンパイル時には存在しない汎用型の組み合わせを使用できるようになり、実行時にしか発生しない検出困難なエラーの全体像を回避することができます。

●Frame Timing Manager がすべてのプラットフォームに対応し、エディターで動作するようになり、フレームタイミングに関するより詳細な情報を提供するようになりました。これらの機能を組み合わせることで、パフォーマンス適応、プロファイリング、およびレポーティングツールをあらゆるプラットフォームで構築することができます。詳細については、こちらでご覧ください。

●System Metrics Mali パッケージを使えば、プロファイリングや実行時パフォーマンスの調整のために、モバイルデバイスの低レベルのシステムまたはハードウェアのパフォーマンスメトリクスにアクセスすることができます。たとえば、このパッケージを使って、次のようなことができます。

  • Unity Profiler で低レベルの Mali GPU メトリクスを監視し、パフォーマンスのボトルネックを評価する
  • 実行時に Recorder API を使用して同じメトリクスにアクセスし、現在のボトルネックに基づいてグラフィックス品質を調整する
  • 継続的に統合テストを実行する際、広範なパフォーマンス測定値を収集することで、パフォーマンステストを自動化します。

●ビジュアルスクリプティンググラフの初期化と実行が高速化されています。また、実行時に MonoBehavior ベースのグラフを修正して実行する機能を維持しつつ、ランタイム時にビジュアルスクリプティンググラフの解釈された表現が含まれるようになりました。

Netcode

Netcode for GameObjects は、Unity エディター用に作られた、Unity ファーストパーティ製オープンソースのネットコードライブラリです。バージョン 1.0.0-pre のリリースにより、このパッケージは正式にプレリリース状態に移行しました。このバージョンは、実験的リリースで提供されていた機能を拡張し、クリエイターにとって適度なスピードの小規模な協力型ゲームを作りやすいバージョンになっています。さらに、新しい Relay サービスへの対応、Unity Transport の強化、新しいネットワークプロファイラーツールなどが含まれています。

マルチプレイヤーネットワーキングのドキュメンテーションにアクセスして、Netcode for GameObjectsのインストール方法やチュートリアルを確認することができます。また、公式の教育用サンプルとして、完全な機能を持つ協力型マルチプレイヤー RPG『Boss Room』が提供されています。

Netcode for GameObjects フォーラム公式 Discord サーバーに参加して、フィードバックを共有することが可能です。

テクニカルアーティスト向け機能

●Unity 2022.1 ではマテリアルのバリアントが追加され、テンプレートやマテリアルプレハブの作成が可能になりました。テンプレートとなるマテリアルから共通のプロパティを持つバリアントを作成し、異なるプロパティのみをオーバーライドすることができます。テンプレートのマテリアルの共通プロパティやオーバーライドされないプロパティの変更は、自動的にバリアントのマテリアルに反映されます。また、マテリアルの特定のプロパティをバリアントでオーバーライドできないようにロックすることもできます。

さらに複雑な設定では、バリアントのマテリアルからバリエーションを作成することもできます。このマテリアルの継承階層の概念は、再利用性を促進し、プロジェクトにおけるマテリアルのオーサリングのイテレーション速度とスケーラビリティを向上させます。

●Visual Effect Graph では、パーティクルをカメラからの距離、カメラの深度、経過時間、その他のカスタム入力に基づいてソートする複数のモードが用意されているほか、マルチビュー編集機能により、サブグラフを含む複雑なグラフのオーサリングが容易になりました。

●他にもテクスチャのインポートをより細かく制御できるようになったので、個別のニーズに合わせてより最適な結果を得ることができます。また、法線マップの Flip Green Channel オプションをチェックできるようになったほか、詳細設定に完全なスウィズルが追加され、テクスチャのカラーチャンネルを反転させたり、再マッピングしたりできるようになりました。

2D の改良

2D PSD Importer のレイヤー管理の改善

  • 2D PSD Importer は、ファイル拡張子 PSD を持つファイルの読み込みに対応しました。また、PSD Importer のインスペクターに新しく追加されたタブからレイヤーを選択することで、Photoshop ファイルからどのレイヤーを読み込むかを制御することもできます。
  • モザイクモードでは、スプライト間のパディングを設定できるようになりました。これに伴い、PSD Importer のインポート設定のための API セットを提供しています。

 

スプライトスワップのキーフレームと 2D Animation のプレビューの改善

  • 2D Animation 8.0 パッケージでは、スプライトスワップ機能に焦点を当て、アニメーションウィンドウでのスプライトスワップのキーフレームが効率化
  • アニメーションプレビューウィンドウでのスプライト変形、スプライトスワップ、IK ソルバーのサポートや、スキニングエディターでのキャラクターピボットツールの導入により、2D でアニメーションを作るときの開発体験が向上
  • Sprite Library Asset やアニメーションクリップを最新版にアップグレードするアセットアップグレードツールが導入。

2D 物理におけるドロネーテッセレーション

2D 物理では、PolygonCollider2D、CompositeCollider2D、TilemapCollider2D のポリゴンとアウトラインが libtess2 を介して生成されます。

このようなポリゴンは、細すぎたり小さすぎたりして、物理エンジンによってフィルタリングされてしまうことがよくありますが、ドロネーテッセレーションは、このような場合に結果を大きく改善することができます。

細すぎたり小さすぎたりするポリゴンを生成しないだけでなく、同じ面積をカバーするために生成するポリゴンの数も少なくなります。

●2D レンダリング用のスプライトマスタースタックにブレンドモードが追加

・ユニバーサルレンダーパイプライン(URP)パッケージの Shader Graph 2D マスタースタックにブレンディングモードが追加されました。Sprite Lit、Sprite Unlit、Sprite Custom Lit のマスタースタックがさまざまなブレンドモードに対応するようになったことにより、アルファ、プレマルチプライ、加算、乗算の各ブレンドモードでブレンドできるシェーダーを作成することができます。

・2D Pixel Perfect Camera が強化され、ブラーを抑えたアップスケールフィルターが追加されました。

シネマティックツール

Unity 2022.1 では、バーチャルカメラツールとタイムラインに複数のアップデートがされています。

●インスペクターのプロパティフィールドに頼るのではなく、シーンオーバーレイや専用のシーンハンドルを使って、Cinemachine バーチャルカメラのカメラ制約のプロパティを変更できるようになりました。視野角、クリッピングプレーン、オフセットなどをシーンビューで直接調整できます。

●ライブキャプチャーにタイムコード同期機能が搭載され、Unity エディターに接続された互換性のあるライブキャプチャー機器を同期させることができます。

●タイムラインでは、すべてのフレームを再生するオプションが追加されたほか、再生ヘッドがフレーム全体に一貫して配置されるようになり、映画や動画を作るアニメーターが必要とする正確性が確保されます。たとえば、Unity Face Capture と Unity Virtual Camera のコンパニオンアプリのデータキャプチャを同期させることができます。

ベータ版期間中のフィードバック提供方法

Unityはフィードバックを募集募集しており、次の方法で報告することができます。

■2022.1 ベータ版のバグ報告

問題が見つかった場合は、Bug Reporter を使ってご報告ください。Help > Report a Bug… をクリックして報告することが可能です。バグレポートを送信する前に、公開のイシュートラッカーで、同じ問題がすでに報告されていないかを確認してください。

■フォーラムで Unity スタッフとやり取りする

Unity コミュニティとスタッフがつながり、ベータ版やプレリリース版のテクノロジーについて議論を行う場所としてBeta and Experimental フォーラムが利用できます。

2022.1 ベータ版フォーラムへ

ノイズキャンセリングヘッドホンがあたる

期間中に Unity 2022.1 のオリジナルのバグを 1 つ以上特定して報告するとノイズキャンセリングヘッドホンが当たる抽選に参加することができます。

過去数回はグラフィックボードが賞品になっていましたが、今回はSonyのヘッドホンとなるようです。

応募期間は日本時間 2021 年 12 月 9 日(木)23 時から 2021 年 3 月 7 日(月)16 時 59 分までです。

「オリジナルのバグ」とは、応募時点でまだ報告されていないバグであり、かつ Unity 側で再現され、バグとして認定されたものを指します。この抽選には、バグレポートに「#Beta2022Win_Headphones」を追加するだけで参加することができます。有効な応募の本数が増えるほど当選確率は上がりますが、1 人の参加者が 2 つ以上賞品を獲得することはありません。

完全なルール(英語)はこちら

ダウンロード

最新のベータ版は Unity Hub またはダウンロードページから入手することができます。

ベータ版は本制作段階のプロジェクトでの使用を想定していないことにご注意ください。既存のプロジェクトをベータ版でご利用になる際は、必ずバックアップを取るようにしてください。

Unity 2022.1 ベータ版、公開

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