Omniverse のエコシステムと機能が拡張、Omniverse Enterprise が発売開始

CGソフト

11月10日 Nvidiaは、GTC基調講演で NVIDIA Omniverse の新機能と新しいパートナーを紹介しました。

昨年12 月にオープンベータが開始されて以来、Omniverse は、万人以上のクリエイターにダウンロードされ、BMW GroupCannonDesignEpigraphEricsson、建築会社の HKS  KPFLockheed Martin および Sony Pictures Animation など、700 以上の企業の専門家たちに活用されてきたとのことです。

Omniverse の新しい技術と機能

今回のGTCでは、Omniverse Avatar と Omniverse Replicator という2つの新しいテクノロジーが発表されました。また、物理的に正確な 3D の仮想世界において結合組織の役割を果たすプラットフォームであ Omniverse にAR、VR およびマルチ GPUレンダリングといった新機能が実装されています。

新しく発表された機能

■Omniverse Avatar

Omniverse Avatarは、 音声 AI、コンピューター ビジョン、自然言語理解、レコメンデーション エンジンおよびシミュレーション テクノロジと NVIDIA のテクノロジを組み合わせ、インタラクティブな AI アバターの作成を可能にするテクノロジ プラットフォームです。

Huang 氏は、NVIDIA GTCでの基調講演において、Omniverseアバターの様々な例として、カスタマーサポートのための「Project Tokkio」、車内での常時接続型インテリジェントサービスのための「NVIDIA DRIVE Concierge」、ビデオ会議のための「Project Maxine」を紹介しました。

Project Tokkioのデモでは、Huang 氏を模した玩具のようなアバターと同僚が生物学や気候科学などのテーマでリアルタイムに会話をする様子をみることができます。

OmniverseAvatarの主要要素

OmniverseAvatarは、音声AI、コンピュータービジョン、自然言語理解、レコメンデーションエンジン、顔のアニメーション、および次のテクノロジーを通じて提供されるグラフィックスの要素を使用します。

  • 音声認識は、複数の言語にわたる音声を認識するソフトウェア開発キットであるNVIDIARivaに基づいています。Rivaは、テキストから音声への機能を使用して人間のような音声応答を生成するためにも使用されます。
  • 自然言語理解は、人間の言語を認識、理解、生成できる Megatron 530B 大言語モデルに基づいています。Megatron 530Bは、トレーニングがほとんどまたはまったくなくても、文章を完成させ、主題の広いドメインの質問に答え、長くて複雑なストーリーを要約し、他の言語に翻訳し、特にトレーニングされていない多くのドメインを処理できる、事前トレーニング済みのモデルです。 。
  • レコメンデーションエンジンはNVIDIAMerlin ™によって提供されます。これは、企業が大量のデータを処理してよりスマートなレコメンデーションを作成できるディープラーニングレコメンダーシステムを構築できるようにするフレームワークです。
  • 認識機能は、ビデオ分析用のコンピュータービジョンフレームワークであるNVIDIAMetropolisによって実現されます。
  • アバターアニメーションは、NVIDIA Video2FaceおよびAudio2Face ™、2Dおよび3DAI駆動の顔アニメーションおよびレンダリングテクノロジーを利用しています。

より詳しい情報はこちらから

■Omniverse Replicator

Omniverse Replicatorは、物理的にシミュレーションされた合成データを作り出し、ディープニューラルネットワークのトレーニングが可能な強力なエンジンです。

このエンジンの最初の実装では、自動運転車のデジタルツインをホストするための仮想世界であるNVIDIA DRIVE Sim™と、操作ロボットのデジタルツインの仮想世界である自動運転車の仮想世界であるNVIDIAIsaacSimが導入されています。

Omniverse Replicatorは、AVおよびロボット工学の開発者のニーズに合わせて調整された、大きくて多様な物理的に正確なデータを作成する機能によって、エラーが発生しやすく不完全な可能性のある、コストがかかり面倒な人間がラベル付けした実世界のデータを補強します。

また、速度、深度、遮蔽されたオブジェクト、悪天候、センサー間のオブジェクトの動きの追跡など、人間がラベル付けするのが困難または不可能なグラウンドトゥルースデータの生成も可能にします。

より詳しい情報はこちらから

新機能

さらに、Omniverse には、以下のような、いくつかの新機能が実装されています。

  • エンタープライズクラスの没入型ストリーミング フレームワークである NVIDIA CloudXR が、ネイティブの Omniverse アプリケーションおよびマイクロサービスを構築するためのツールキット、 Omniverse Kit に組み込まれました。これにより、ユーザーは、Omniverse での体験をモバイルの AR および VR デバイスにインタラクティブにストリーミングできるようになります。
  • Omniverse VR に、世界初のフルイメージの、リアルタイム レイトレーシングされた VR が導入されています。これにより、開発者はプラットフォーム上で独自の VR 対応ツールを構築できるようになり、エンドユーザーは VR 機能を直接楽しめるようになります。
  • Omniverse XR Remote の AR 機能と仮想カメラにより、デザイナーは、iOS および Android のデバイスから、フルレイトレーシングされた制作物を閲覧できるようになります。
  • Omniverse Farm により、チームは複数のワークステーションまたはサーバーを同時に使い、レンダリングや合成データの生成あるいはファイルの変換といった作業が可能となります。
  • Omniverse オープン ベータ のアプリケーションとして提供されている Omniverse Showroom により、技術に詳しくないユーザーも、Omniverse のリアルタイムでの物理シミュレーションとレンダリング技術を紹介する、Omniverse テックデモを試すことができます。

Omniverse を通じた産業界向けのデジタルツインアプリケーション

インフラストラクチャ エンジニアリング用ソフトウェアを作っている Bentley Systems が、Bentley iTwin for NVIDIA Omniverseの早期アクセスの発表を行いました。このソフトウェアにより、全世界のインフラストラクチャ エンジニアリング業界では、インフラストラクチャ デジタル ツインの次世代の物理的に正確な 4D のビジュアライゼーションおよび建設シミュレーションができるようになります。

Bentley iTwin for NVIDIA Omniverse により、iTwin のユーザーは、大規模で、物理的に正確な工業プラントおよび海洋構造物を、まるでそのなかをリアルタイムで歩いているように仮想的に探査できるようになります。

また、大手の都市デザイン用マッピング ソフトウェア企業である Esri は、Esri ArcGIS CityEngine アプリケーションが Omniverse に対応し、ArcGIS のエコシステムを使っている、数百万人のユーザーが Omniverse プラットフォームを活用できるようになりました。

これにより、リアルタイムのフォトリアリズムで 3D の都市モデルや地理的背景を便利に提供できるようになり、ロボティクスや自律走行車、小売、通信事業などの業界向けに、大規模なデジタルツイン環境を構築することが可能となります。

Omniverse エコシステムの拡大

NVIDIA Omniverse のエコシステムは、さまざまなパートナーによって構築された新たな機能拡張、および工業用 3D デザイン ツールへのライブリンクを可能にするプラグインであるOmniverse Connectors によって拡大を続けています。

このエコシステムのなかには、Daz3De-on software  PlantFactoryPlantCatalog と VUERadical, ReallusionReplicaStyle3D および TwinBru などが含まれています。今回のGTCに合わせてLightmapもNVIDIAOmniverse 用の新しいHDR Light Studio拡張機能をリリースしたようです。

また、Adobe Substance 3DClo Virtual Fashion、GolaemMaxonNotch, および Wacomなどのパートナーは、Omniverseプラットフォームの基盤になっているUSD への対応を開始しています。

Omniverse Enterprise の一般向け発売が開始

Omniverse Enterprise が一般向けに発売されるようになりました。

このプラットフォームにより、複数のソフトウェア スイートを駆使して作業をしている、グローバルな 3D デザイン チームが、あらゆるデバイスから、共有の仮想空間で、リアルタイムでコラボレーションできるようになります。

Omniverse Enterprise は、小規模なワークグループでも、世界中に分散しているチームでも、NVIDIA Enterprise Support のフルサービスを含むサブスクリプションを通じて、柔軟に導入することができます。

さまざまな業界のリーダーが、Omniverse を使用して評価を行っており、次のような声があります。

世界的な建築、エンジニアリングおよびコンサルティング企業である CannonDesign は、Omniverse を使って、コラボレーション デザインを高速化させようとしています。

CannonDesign の最高技術責任者 兼 シニアバイスプレジデントの ヒルダ エスピナル (Hilda Espinal) 氏は、次のように話しています。

「NVIDIA Omniverse により、当社では、物理的なスケールのモデルを撮影したときに、そのリアリティーをすばやく反復および作品化して、デザインを探求し、さらにデザイン プロセス中にお客様の意向を反復および強調できるようになっています。Omniverse を使い続けるうちに、当社では、そのさまざまな機能、コスト削減、ならびにユーザーおよび消費者のエクスペリエンスの向上に大きな期待を抱くようになっています。私たちは、ソフトウェアの相互運用性に対処しなければならないという悩みとそれに関連する無駄が過去のものとなるポイントにまで到達したことをとても嬉しく思っています。私たちはこれまでよりはるかに自然に、より簡単にコラボレートできるようになっているのです」

Sony Pictures Animation は NVIDIA Omniverse Enterprise を活用して、アーティストたちが、あらゆる場所から単一の画面で共同作業できるようにしています。

Sony Pictures Animation のテクノロジ担当エグゼクティブディレクターのイオティス カサンバス(Yiotis Katsambas) 氏は、次のように話しています。

「Sony Pictures Animation は、ストーリーテリングとビジュアルの両方で、創造性の限界を絶えず押し広げようとしてきました。NVIDIA Omniverse は、その目標に向かって、継続的な革新を行うための重要な基盤となるでしょう。Omniverse により、当社のアーティストは、物理的な場所に関係なく、ストーリーおよびビジュアルの創作プロセス中に複雑な環境に踏み込むできるようになり、スタジオはこれまでなかったような方法で、シームレスにコラボレーションできるようになります」

大手通信企業である Ericsson では、Omniverse プラットフォームを使って、信号伝搬のシミュレーションと視覚化を行うデジタル ツインを作り、5G ネットワークでの機能開発と知見を加速しています。

発売時期と価格

個人向け NVIDIA Omniverse プラットフォームは、nvidia.com/omniverse から無料でダウンロードできます。

NVIDIA Omniverse Enterprise ソリューションは、世界的なコンピューター メーカーである、BOXX TechnologiesDell, HPLenovo および Supermicro、ならびに販売 パートナーである ArrowCarahsoft Technology Corp株式会社エルザ ジャパンIngram-ChinaLeadtekOCSPNY および SB C&S株式会社から入手可能です。Omniverse Enterprise サブスクリプションは、上記の販売パートナー、あるいは一部のビジネス パートナーを通じて、直接ご購入することができます。

トライアル プログラムもあり、新規ユーザー向けの、つの形式の Omniverse Enterprise が、最大30日間無料で使用することができます。

全パートナーリストと価格情報は、Omniverse Enterpriseページからご覧ください。

また、価格については以下の記事でも紹介しています。

Nvidia Omniverse Enterprise の価格が明らかに
2021年9月28日、Omniverse Enterpriseの料金プランが、Omniverse ウェブサイトのFAQで公開されました。 現在利用できる ...

NVIDIA Opens New Portals Into Virtual Worlds With Expanded Omniverse Ecosystem and Capabilities

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました