2021年10月26日、Adobeは、画像編集ソフトウェアの最新アップデート Photoshop 23.0 と Photoshop on the iPad 3.0(2021年10月リリース) をリリースしました。
今回のアップデートは、今日から始まる Adobe MAX 2021 に合わせて、他のAdobeのソフトウェア、 Illustlator や AfterEffects などとともにリリースされました。
ここでは、Photoshopのサブスクリプションに含まれているお絵描きアプリ Adobe Fresco 3.0 の新機能も合わせて紹介したいと思います。
デスクトップ版 Photoshop 23.0 新機能
カーソル合わせ(ホバー)時の自動選択
オブジェクト選択ツールに新しい機能が追加され、画像上にカーソルを合わせてクリックすると、画像の一部を自動的に選択できるようになりました。
コメントの共有
Photoshop クラウドドキュメントをチームメイトや関係者と簡単に共有し、コメント、コンテキストピン、注釈を含むフィードバックを追加したり受信したりすることができるようになりました。
新しいコメントの共有機能を使用すると、次のことができます。
- Photoshop クラウドドキュメントで他のユーザーと共同作業を行う
- 自身で後から確認するためにコメントと観察結果を残す
- Photoshop の使い方を教えながら、教育者として学習工程を作成する
- 他の人とコメントやフィードバックを共有する
Illustrator との相互運用性の向上
Illustrator と Photoshop 間の相互運用性が向上し、インタラクティブ機能を活用して、Photoshop でレイヤー/ベクトルシェイプ、パス、ベクトルマスクを備えた Ai ファイルを簡単に取り込んで、編集や操作を続けることができるようになりました。
これらの新機能を試すには、Photoshop(Mac)/編集(Win)/環境設定に移動、「PsAiInteropEnhancement」オプションを有効にし、Photoshop を再起動します。
改良されたニューラルフィルター
このリリースでは、次の新しいベータ版ニューラルフィルターを使用できます。
- 風景ミキサー:異なる風景画像をミックスして新しい風景画像を作成します
- カラーの適用:ある画像から別の画像にカラーパレットをクリエイティブに移動します
- 調和:レイヤーのカラーおよび輝度を別のレイヤーに調和させて、完璧な合成画像を作成します
その他の変更と機能強化
■プラグインマーケットプレイス
2020 年 10 月リリースの Photoshop(バージョン 22.0)以降、プラグインはプラグインマーケットプレイスを使用して管理することができるようになります。
プラグインマーケットプレイスには、Editor’s choice で厳選されたプラグインや必要不可欠なプラグインのコレクションに加え、優れた開発者コミュニティによる数千ものプラグインがあります。
従来のサードパーティ製プラグインも引き続き使用できるようです。
■統合テキストエンジン
従来のテキストエンジンに代わって新しい統合テキストエンジンが実装されました。。統合テキストエンジンを使用すると、すべての高度なテキスト入力機能が自動的に使用可能になり、Photoshop のテキストプロパティパネルでグループ化されます。
■最新の油彩フィルター
MacOS と Windows の両方で、GPU ベースの油彩フィルターが再実装されました。このバージョンでは、DirectX/Metal 準拠の GPU の新しいサポートが追加され、OpenCL サブシステムに依存しなくなりました。
油彩フィルターにアクセスするには、フィルター/表現手法/油彩に移動し、開かれた油彩ダイアログでフィルターのプロパティを設定します。
より良いパフォーマンスを得るために、油彩フィルターを使用している間は、環境設定/パフォーマンスで「グラフィックプロセッサーを使用」を有効にします。
■改良されたグラデーションツール
新しい補間オプションを使用すると、グラデーションが今までより明瞭で、より明るい外観になります。このリリースでは、美しく滑らかなグラデーションの作成をより綿密に制御できる最新のグラデーションツールとグラデーション補間方法を使用できます。
この機能をテストするには、環境設定/テクノロジーのプレビューに移動し、「最新のグラデーションツール」と「最新のグラデーション補間」オプションを有効にし、Photoshop を再起動します。
■3D 機能の廃止
このリリースから、予定していた通りPhotoshopの3D機能が廃止されました。詳しくは次の記事で紹介しています。

代わりにIllustlatorに3Dっぽい機能が追加されています。
デスクトップ版 Photoshop 23.0のすべてのアップデート内容の確認はこちらから
iPad 版 Photoshop 3.0 新機能
カメラ RAW ファイルのサポート
iPad で RAW ファイルを編集できるようになりました。
カメラ RAW ファイル形式では、デジタルカメラのセンサーからのデータがそのままの状態で保存されています。Photoshop iPad 版では、Camera Raw モードの様々なコントロールを使用して、写真の元の画像データを処理し、編集できます。
編集を適用した Raw 写真は、スマートオブジェクトまたはピクセルレイヤーとして読み込むことができます。デフォルトでは、Camera Raw スマートオブジェクトとして新しいクラウドドキュメントに読み込まれます。
スマートオブジェクトのサポート
デスクトップ版と同様にスマートオブジェクトを操作できるようになりました。スマートオブジェクトでは、すべてのデータ特性とともに元の画像のコンテンツが保持されているので、非破壊編集を行うことができます。
現在、iPad でスマートオブジェクトを編集することはできません。編集する場合は、iPad で作成したスマートオブジェクトを含むクラウドドキュメントをデスクトップアプリケーションで開いてください。
コメントの共有
デザインや作品を仲間と簡単に共有できるようになりました。クラウドドキュメントの共有リンクを生成して、コメントを追加したり、フィードバックを受け取ることができます。
覆い焼きと焼き込みで画像領域の明るさを調整
覆い焼きツールと焼き込みツールが使用できるようになりました。
使用すると、適切な露光量を設定して、画像の特定の領域を明るくしたり(覆い焼き)、暗くしたり(焼き込み)することができます。これは、破壊的な編集になります。
その他の変更と機能強化
■カンバス投影
AirPlay で画面をミラーリングして、Photoshop のカンバスのみを投影できるようになりました。カンバスを投影するには、アプリケーションの設定/一般に移動し、「カンバス投影」を有効にします。
■必要システム構成の更新
Photoshop iPad 版の最小 iOS バージョンが iPadOS 14 になりました。
iPad 版 Photoshop 3.0のすべてのアップデート内容の確認はこちらから
Fresco 3.0 新機能
モーションの適用
アートワークに短いモーションを追加できるようになりました。
モーションパス(motion path)またはフレームバイフレームモーション(frame-by-frame motio)の2つのテクニックが使用できます。出力は、MP4、GIF、PNGで可能です。
パースペクティブグリッド
パースペクティブグリッドを使用して、2Dアートワークにすばやくパースペクティブを適用できるようになりました。スナップを有効にすると、オブジェクト作成または移動時に、アクティブな平面のグリッドにスナップされます。
Illustratorに送信(iPad)
Frescoでアートワークを作成し、画像をベクターで編集する場合は、「共有」>「Illustratorに送信」でアートワークをAdobe Illustratorに送信できます。
ベクトルジッターブラシ
ベクトルブラシパネルのブラシにジッターを追加できます。ジッターは、ブラシ設定の「Shape dynamics」で制御できます。
Fresco 3.0 のすべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
デスクトップ版 Photoshop
デスクトップ版Photoshopは、現在Windows 10(64 ビット)バージョン 1909 以降、macOS Catalina(バージョン 10.15)以降で利用できます。詳しいシステム要件の確認はこちらから
PhotoShopの価格はサブスクリプション形式で、単体プランが2,728 円/月 (税込)です。フォトプラン 1,078 円/月 (税込)やコンプリートプラン 6,248 円/月 (税込)にも含まれています。
デスクトップ版PhotoShopにはiPad版のライセンスも付属しています。また、単体プランではAdobeFrescoプレミアム版も利用できます。
価格の確認はこちらから
iPad 版 Photoshop
iPad 版 Photoshopは、iPadOS(14.0)以降で利用できます。詳しいシステム要件はこちらから
価格は1か月間の無料期間後1080円/月または8600円/年となります。
アプリストアから Photoshop iPad 版のサブスクリプションを購入すると、Photoshop iPad 版とAdobe Fresco プレミアム版の両方にアクセスできます。
また、iPad 版 Photoshopは、1600円/月または15800円/年のアドビデザインモバイルバンドルにも含まれています。
Fresco
Frescoは、Windows 10 バージョン 1903 以降、iPadとiPhoneのサポート対象デバイスで使用できます。詳しいシステム要件はこちらから
Frescoは無料から使用でき、100GBのストレージやすべてのブラシが利用できるプレミアム版は、1080円/月となります。
プレミアム版は1600円/月または15800円/年のアドビデザインモバイルバンドルにも含まれています。
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