3dsMaxを使用したセルルックなキャラクターモデリングチュートリアル第3・4回

チュートリアル
2021年10月19更新:第4回を追加しました。

Autodesk の AREA Japan で公開されている無料チュートリアル第3回の紹介です。

アニメ業界やゲーム業界、映像業界など様々な分野でキャラクターモデリング3Dキャラクターアーティスト亥と卯(いとう)氏によるチュートリアルです。

第1・2回は以下の記事で紹介しています。

3dsMaxを使用したセルルックなキャラクターモデリングチュートリアル第1・2回
Autodesk の AREA Japan で公開されている無料チュートリアルの紹介です。 アニメ業界やゲーム業界、映像業界など様々な分野でキャラクターモ...

このチュートリアル動画では、Autodesk 3ds Max 2021~2022Pencil+4 for 3ds MaxPhotoShop のソフトを使用した、セルルック表現を用いたキャラクターモデリングの基本を学ぶことができます。これからアニメキャラクターを元にした3Dモデルを作成したい、セルルックの基礎を知りたいという学生や、3DCGを勉強中の社会人の方向けの内容となっています。

第3回:詳細モデリング

第3回は詳細モデリングとなります。基本的な操作類は前回で説明しているので、今回は説明が少なめになっています。

詳細モデリングはラフモデリングとは違い、ターボスムーズをかけ確認しながらターボスムーズありきの造形を行います。また、厚みを加え、ラインの出る部分や出方を調整しながら全体の見え方を調整します。

■チャプター

上記で紹介されているスムージンググループやしわの作り方やライトの数や位置などに限らず、通常では非常識な手法であってもさまざまな方法を取り入れても、アニメっぽく見えれば良いようです。作画が精細な作品を参考に、一度でも良いのでじっくり研究して学んでおくと、その先に作る自身のオリジナル作品でも活かすことができます。亥と卯(いとう)氏は、しわの形や構造を京アニ作品のワンシーンや版権イラストを参考にしたとのことです。


より詳しい説明は、次のリンクから – 第3回:詳細なモデリング・しわの作成

第4回の内容

第4回はUV展開からテクスチャ作成、そしてスキニングまで作業の説明となります。テクスチャの作成と反映までは基本的に全編動画ありで説明されていますが、それ以降のセットアップに当たる部分(リグ、ボーン、スキンウェイト)は、他の記事を参照することがおススメされています。セットアップの部分というのは、会社ではその作業だけで専門の人がいるくらい複雑で奥が深すぎる工程であり、正確に丁寧に説明するのが難しいとのことです。

UV展開

■UV展開(00:20~)

セルルックのUV展開は少し特殊で、どのようなライティング状況でも固定で影を出す、固定影/描き影というのがあり、固定で影を出すような髪の毛の裏面や服の裏側というのはUVを小さくして隅っこに重ねてまとめます。

ゲーム作品でのUV展開はモデル完成時点でUVを全体的にギチギチに詰めて無駄なく使用する場合が多いですが、映像の場合UVはある程度種類別に並べて余裕を持って配置することが多いようです。

法線コピーとテクスチャの作成

■ノーマルコピー(法線転写)の活用(00:50~)

デフォルメが強いキャラクターデザインなので、影のコントロールが難しい部分に[Pencil+4 法線コピー]モディファイヤを使用しています。

映像分野の法線コピーは少々やっかいな部分があり、サブディビジョンサーフェスが必要なだけに、ターボスムーズなどを使用して再分割化した場合に使用した後と使用する前で頂点情報が変わってしまいます。球状化モディファイヤを使用した法線コピーは最も手軽な方法であり、手軽な割に効果も良く発揮してくれます。

■テクスチャの作成とマテリアルへの反映(05:40~)

テクスチャは白黒マスクテクスチャを、マテリアルはブレンドマテリアルを使用しています。ブレンドマテリアルを使用することにより、固定影や固定ハイライト、更にはグラデーションや赤らんだ頬などさまざまな要素を重ねて、尚且つ1つのマテリアルで表現することができます。

こういったマテリアルは他の3Dツールでも作成することは可能ですが、ノードを繋げて複雑で難解な構造になったりします。亥と卯氏は、3ds Maxでは、そういった部分がシンプルに覚えられるとしています。

リギングとスキンウェイト

■Bipedの作成とボーンの作成(00:00~)

キャラクターをコントロールするリグとして3ds Maxに標準装備されているBipedが使用されています。揺れモノはボーンを使用し、ひじ周りを中心に補助ボーンも作成しています。

亥と卯氏によると、アニメ作品で3ds Maxを使用する場合の多くで標準装備のBipedかCATが採用されているとのことです。

Bipedの作成と補助ボーンの作成、そしてスキンウェイトといったセットアップに関する説明は以下の記事を参考にすることがおススメされています。

第6回:リギングその①~人体の構造を理解する~
※今回の使用ツール:3ds Max 2017 今回はリギングです。ずっと棒立ちだったキャラクターに骨格やコントローラーを入れ、ポーズやアニメーションを直感的につけられるよう仕組みを作っていきます。 まずは、これから組むリグのコンセプトを決...

■スキンウェイト(21:30~)

3ds Maxでのスキンウェイトは頂点を選択して直接ウェイト値を設定する方法を取っている方が多いと思いますが、ペイントでウェイトを設定することは可能です。スキンウェイトに関しても先ほどの上記の記事が参考になります。

■目の制御/コントローラ(30:50~)

目の制御は覚えれば手軽で簡単に設定できる3ds Maxならではの方法が使用されています。

目が小さければ人間の目と同じように球体で表現したり、デフォルメが強いキャラクターでも目の形をそのままポリゴンで表現したりする方法が一般的ですが、今回はスキンモディファイヤとUVマップを組み合わせて使用した方法になります。

また今回はフェイシャルリグの作成はしませんが、フェイシャルリグに関しては次の記事が参考になります。

第7回:リギングその② ~フェイシャルリグとメカリグ~
前回の基礎リグに続き、フェイシャルリグを中心に残りのリギングを行っていきます。特にフェイシャルは動きが多い上にキャラクター性にも影響が出ますのでより気を使って組んでいきましょう。

次回の内容

次回は、キャラクターにポーズを取らせて、レンダリングの設定を諸々行い、ターンテーブルを作成し簡単にコンポジットする予定となっています。


「 セルルックなキャラクターモデリングチュートリアル 」で使用しているデータはこちらからダウンロード可能です。

より詳しい説明は、次のリンクから – 第4回:テクスチャの作成とリギング・スキンウェイト

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