Marmoset Toolbag 4.03 がリリース、リアルタイムノイズ除去、新しい選択やテクスチャリングツールの追加など

CGソフト

2021年7月2日(現地時間)Marmosetは、リアルタイムレンダリング、テクスチャリング、ベイキングツールセットの最新アップデートToolbag 4.03のリリースを発表しました。

このアップデートは、すべてのToolbag 4ユーザーに提供される無料のアップデートとなっています。

Toolbag 4.03 新機能

今回のアップデートでは、コミュニティからの要望が多かった機能をはじめ、さまざまな改善や追加が行われています。

レンダリング

Marmoset toolbag 4.0 では、RTXGPUをサポートした新しいレイトレーシングエンジンが実装されましたが、今回のアップデートでは、GPUを利用したリアルタイムのノイズ除去が利用できるようになっています。

Marmoset Toolbag 4 がリリース、新しいレイトレーシングエンジンの追加、RTX サポートなど
Marmosetは、リアルタイムレンダリングツールキットの最新アップデートである Toolbag 4.0 をリリースしました。ほぼ4年ぶりのソフトウェアのメジャ...

■リアルタイムデノイジング(GPU)

ハードウェアで高速化されたリアルタイムのノイズ除去機能がすべてのNVIDIA RTXデバイスで利用できるようになりました。

GPUノイズ除去機能は、RTXカードではハードウェアアクセラレーションされますが、GeForce 10シリーズ以降のNVIDIA GPUではハードウェアアクセラレーションなしの状態で利用できます。

注:GPUノイズ除去モードは、IntelおよびAMDのグラフィックスハードウェアでは現在サポートされていません。

■CPUデノイジング

CPUノイズ除去モードに「High-Quality」オプションが追加され、少ないサンプル数で画質の向上とディテールの保持ができるようになりました。髪の毛のような細かいディテールやアルファブレンディングされたマテリアルにも効果があります。

■屈折率コントロール

屈折率コントロールを使って、屈折を自由に変えることができるようになりました。これによって、ゲームアートのようなローポリスタイルのメッシュの歪みを誇張してコントロールすることができます。
屈折シェーディングモジュール(Transmission -> Refraction)で、マテリアルの屈折率や「曲がり具合」を操作することができます。

「Derive Refractive Index from Reflectivity」という新しいチェックボックスがあり、有効にすると、屈折の曲がり具合は反射率によって設定されます。無効にした場合は、屈折率マップをロードし、対応するスライダを使用して屈曲度を制御できます。

シーンマネージメント

■ライトコントローラ

新しいライトコントローラーは、メッシュオブジェクト上のポイントをクリックしてライトを再配置でき、細かくコントロールすることができます。このツールには、クリックした場所にスペキュラハイライトを表示するマッチハイライトオプションが含まれています。明るさ(Ctrl+LMB)、距離(Ctrl+RMB)、スポットコーン(Ctrl+MMB)のホットキーを使って、一般的なライトの属性を直感的に調整することができます。

■ピボットポイント編集

シーン オブジェクトのピボットポイントがツールバッグ内で編集できるようになり、トランスフォーム ツールとの連携がより便利になりました。また、他の 3D アプリからのピボット ポイントの読み込みも改善されています。

Translateツールまたは Transformツールを使用する場合は、ツール設定バーの Edit Pivot (D) を有効にし、ピボットポイントを任意の位置に変更するか、単に [Center Pivot] を選択します。

■コピー/ペースト

オブジェクトとその設定のコピー&ペーストがToolbag全体で可能になりました。メッシュの設定をまとめてペーストしたり、レイヤーやマテリアルの設定を再利用することで、ワークフローを最適化することができます。

選択ツール

シーン内のオブジェクトやピクセルデータを選択するための選択ツールのパレットが拡張され、シーンマネージメントやテクスチャプロジェクトの柔軟性が向上しました。4.03では、下記の選択ツールがあります。

新しいテクスチャーツール

■カラーピッカーサンプリング

Toolbagには、完璧なカラー値を設定するためのインタラクティブなツールがあり、多数のマテリアルプロパティを同時にサンプリングすることができます。新しい専用ピッカーは、グレースケール値を含めたマップ単位でのサンプリングが可能です。

マテリアル、ライト、カメラのポストエフェクト、ワイヤーフレームのカラーなど、カラーパラメータが存在するすべての場所で、サンプリングが可能であり、さらに外部のウィンドウやモニターからカラーをサンプリングすることもできます。

■直線を描く

要望の多かった、テクスチャプロジェクトでの直線のペイントが簡単にできるようになりました。ブラシツールをアクティブにした状態で、Shiftキーを押しながら正確に線を描くことができます。また、シフトキーを押しながら複数のポイントをクリックすると、点と点をつなぐことができます。

■ブラシチップのコントラストとゆがみ

ブラシをさらにカスタマイズするために、ブラシツールに「Tip Contrast」と「Warp 」の設定が追加され、ブラシストロークの形状やシルエットの微調整が容易になりました。

■スプライトシートマテリアル(Sprite Sheet Material )

新しいスプライトシートマテリアルオプションでは、ブラシテクスチャをランダムにすることができます。ペイントレイヤーの「Projection Method 」が「 Fit to Brush」に設定されている状態で、「Sprite Sheet Material 」のチェックボックスをクリックすると、ブラシストロークに沿ってランダムな変化をつけることができます。

■グループとレイヤー

グループとレイヤーは、より整理されたユーザーエクスペリエンスを提供するために再編成されました。グループ(フォルダアイコン)は下にコンテンツを表示し、マスクスタック(矢印アイコン)は上に描画されるようになり、グループのコンテンツとマスクスタックの両方を同時に見ることができるようになりました。また、グループやレイヤーの色分けが追加され、見やすさや整理整頓のコントロールがしやすくなっています。

また、レイヤーシステムに新たに追加されたのが、レイヤーの結合とラスタライズです。レイヤをその依存関係とともにラスタライズして、単一のペイントレイヤを作成できます。

その他のアップデート

■タンジェント空間の処理

左手(y-flipped)および右手の座標空間でタンジェント空間のノーマルマップコンテンツをオーサリングするため、コンテンツ作成パイプラインに合わせてノーマルマップのタンジェント方向を同期させることができます。

タンジェント方向は、テクスチャプロジェクトとベイクプロジェクトのプロジェクト設定で、アプリの環境設定 (Edit -> Preferences)で好みのデフォルトを設定することができます。接線方向は、マテリアルプロパティセクションでレイヤー (Paint と Fill layers) ごとに設定することもできます。

リソースロケーター

シーン内の失われたアセットを再リンクするのがより簡単になりました。新しいリソースロケーターは、シーンを開き、不足しているファイルが検出されると表示されます。見つからないファイルを任意のディレクトリに再配置するか、ツールバッグライブラリにあるアセットをその場で再ダウンロードすることができます。

■アセットの読み込みが簡単に

ユーザーが作成したアセットの作成、インポート、ローカルのユーザーライブラリへの保存のサポートが強化されました。次のようなことが可能です。

  • シーンの中からカスタムスキーをライブラリに保存、またはOSからドラッグイン
  • File -> Export」からシーンをライブラリにエクスポート
  • スマートマテリアル、マスク、ブラシのドラッグイン
  • OSからさまざまな種類の複数のファイルをドラッグして取り込むことができる(さまざまなパラメータ、カテゴリー、タイプ、タグなどを設定することができる)

■Pythonの改善

ToolbagのPythonスクリプトサポートが大幅に拡張され、シーンや環境変数をより細かく制御し、より深くアクセスできるようになりました。

  • オートコンプリートバインディングは、API全体でタイプヒントが改善されました。
  • テクスチャプロジェクトのレイヤーをPythonで操作・制御可能に
  • カスタムアセットをユーザーのライブラリに追加可能に
  • レンダーオブジェクトのすべての設定にアクセス可能に
  • メッシュの細分化レベルとレンダリングの可視性をより細かく制御可能
  • カメラ属性のコントロールが容易に
  • すべての Python プラグインが環境変数にアクセスできるようになり、Toolbag 内の複数のプラグインがデータを共有できるようになりました。

Toolbagの Python API リファレンスページへ■ビューアのアップデート

Marmoset ビューアが大幅にアップデートされ、Toolbag 4 のラスターレンダリングシステムに合わせてキャリブレーションが改善されました。ライティングはあらゆるタイプのライトで、Toolbag のビューポートで見られるような明るさとフォールオフを再現するようになりました。

また、Glossiness/RoughnessシェーダがToolbagに合わせて改良され、GGXをBlinn-Phongで近似するのではなく、GGXを直接使用するようになりました。サブサーフェイス・スキャッタリング・シェーダも、特にスキャッタリング設定を高くすることで、より適切に表示されます。


Marmoset Toolbag 4.03 のすべてのアップデート内容の確認はこちらから

価格とシステム要件

Toolbag4.03は、Windows10とmacOS10.15以降で利用できます。

永久ライセンスの価格は、Individualライセンスが299ドル、Studioライセンスが799ドルです。

サブスクリプションも利用可能で、Individual 14.99ドル/月、Studioライセンスは39.99ドル/月です。


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