Unreal Engine 5 早期アクセスがリリース!新機能のサンプルプロジェクトも利用可能に

CGソフト

2021年5月26日 EpicGamesは、Unreal Engine 5 早期アクセスの開始を発表しました。

Unreal Engine 5 早期アクセスがリリース

Unreal Engine 5 は、Unreal Engine の次のメジャーリリースです。早期アクセスは、実制作に適したバージョンではないので、新機能のテスト、新しい可能性の検証、将来の次世代機ゲームのプロトタイプといった用途に対してのみ使用が推奨されています。Unreal Engine 5 のフルリリースを2022年初頭に予定されています。

主要機能に関しては昨年紹介した内容と一部かぶりますが、改めてまとめておこうと思います。

https://cginterest.com/2020/05/14/%e6%ac%a1%e4%b8%96%e4%bb%a3%e3%81%ae%e6%96%b0%e6%8a%80%e8%a1%93%e3%82%92%e6%90%ad%e8%bc%89%e3%81%97%e3%81%9funreal-engine-5-%e3%83%87%e3%83%a2%e3%81%8c%e5%88%9d%e5%85%ac%e9%96%8b%ef%bc%812%e3%81%a4/

主要機能

■Unreal Editor の改善

Unreal Engine の UI が、レベル エディタでの作業時により高い没入感が得られるように、一新されました。アイコンのデザイン、メニュー項目の編成も変更されています。また、パネルをサイドバーのタブにドッキングすることで、ビューポートを最大化し、集中を妨げる要素を最小限に抑えることができます。

また、Quixel Bridgeが Unreal Engine UI の一部になり、エンジン内でタブとして開くようになります。アプリを切り替えたり、アセットをダウンロードしてUnreal Engineにエクスポートしたりすることなく、最新のMegascansコンテンツをプロジェクトに直接ドラッグアンドドロップできます。

■Nanite 仮想化ジオメトリ

仮想化マイクロポリゴンジオメトリシステムにより、膨大なジオメトリディテールを含むゲームが作成可能になります。ZBrush のスカルプトやフォトグラメトリスキャンなど映画品質の数百万ポリゴンのソースアートを直接インポートし、設置しても見た目の忠実度を損なわずにリアルタイムのフレームレートを維持します。

Nanite は知覚できるディテールのみを処理してスマートにストリーミングします。ポリゴンスやドローコール数の制限を大幅に取り除き、ディテールの法線マップへのベイクや LOD モデルの手動作成といった時間の掛かる作業が削減されることで、クリエイティブな仕事に集中できるようになります。

■Lumen

Lumen は完全に動的な新しいグローバル イルミネーション / リフレクション ソリューションで、シーンと光の変更に素早く反応します。

このシステムは、きわめて大規模かつ詳細度の高い環境で、Km の規模から mm 単位のディテールまでスケールして無限のバウンスと間接スペキュラ反射を利用したディフューズ相互反射をレンダリングします。

アーティストやデザイナーは、Lumen を使用することで、何度もライティングをビルドしたり、個々のスタティック メッシュにライトマップ UV を設定したりする必要なくなり、ライトを移動させるだけで結果をエディタで確認することが可能になります。

■World Partition システム

World Partition は、エディタと実行時の両方で使用されるデータ管理とストリーミングのための新しいシステムで、ワールドを無数のサブレベルに手動で分割する必要がなくなります。

World Partition を使用すると、ワールドは単一のパーシスタントレベルとして存在します。エディタでは、ワールドがグリッド上で分割され、対象エリアに基づいてデータが部分的にロードされるので、ロードに時間がかかる大規模なワールドを処理できるようになります。

■アニメーションの強化

Unreal Engine 5 では、キャラクターアニメーションツールセットが強化されています。

Unreal Engine 4 で実験的な機能だったコントロールリグを使用すると、アニメートリグをすばやく作成して、複数のキャラクター間で共有することができます。

シーケンサーでは、キャラクターのポーズとアニメーションが簡単に行えるようになり、新しい ポーズ ライブラリ を利用して、コントロール リグのセットアップでポーズをすばやく保存、ミラーリング、ブレンドすることができます。

また、実験的な機能のようですが、Unreal Engine 5 の早期アクセスに搭載されているフルボディインバースキネマティクス (Full Body IK:FBIK ) 機能を使用すると、コントロール リグと組み合わせることで、高度なコントロールと柔軟性を備える IK を構築することができます。

■MetaSounds

この新しいシステムは、マテリアル エディタなどの完全にプログラム可能なマテリアルとレンダリング パイプラインに似ていて、オーディオ レンダリングのあらゆる側面を管理して、次世代のプロシージャル オーディオ体験を制御することができます。

他にもUnreal Engine 5 で導入された軽量の物理シミュレーション ソリューションChaos Physics (ケイオス物理)など多くの新機能があります。

Unreal Engine 5 早期アクセス のリリースノートの確認はこちらから

Unreal Engine 5 オンラインラーニング

Unreal オンラインラーニングは、実習形式のビデオコースとトピックに合わせたコースをまとめたラーニングパスを提供する無料の学習プラットフォームです。

現時点で、 Unreal Engine 5.0を学ぶための学習チュートリアルが2つ公開されています。

UE5 早期アクセス クイックスタート(1 時間 36 分)

このコースは Unreal Engine がはじめての方向けで、Matt Wadstein 氏が UE5 のツールとワークフローを紹介し、Unreal Engine 5 を使い始める方法を説明してくれます。

学習できること

  • プロジェクトを作成し、管理する方法
  • エディタの説明
  • エディタで使用するアセットをインポートする方法
  • エディタで基本的なシーンを作成する方法
  • テスト用にプロジェクトをパッケージ化する方法

UE5 早期アクセス クイックスタートオンラインラーニングコースページへ

UE4 から UE5 早期アクセスへのアップグレード(20 分)

このコースではプロジェクトを Unreal Engine 5 に移行する方法や、Unreal Engine 5 に実装された主な変更点を Matt Wadstein 氏が紹介してくれます。

学習できること

  • 既存の Unreal Engine 4 プロジェクトを Unreal Engine 5 で開く方法
  • UI の変更点について
  • 新しいエディタに実装された変更を利用してレイアウトをカスタマイズする方法
  • 新機能とそれらを有効にする方法
  • エンジンの主要な変更点を理解する

【プレビュー動画】

UE4 から UE5 早期アクセスへのアップグレードオンラインラーニングコースページへ

Unreal Engine 5 コンテンツ

MetaHuman Creator

先月、早期アクセスが開始したMetaHuman Creatorは、UE5と互換性があり、 MetaHuman Creatorで作成された MetaHuman は UE4 と UE5 のどちらでも使用できます。

MetaHumanのサンプルプロジェクトQuixel Bridge から既成の 50 以上のデジタルヒューマンをダウンロードして使用するこが可能です。

MetaHuman Creator については以下の記事をご覧ください。

https://cginterest.com/2021/04/15/%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%83%89%e3%83%99%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%81%ae%e3%83%87%e3%82%b8%e3%82%bf%e3%83%ab%e3%83%92%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%83%9e%e3%83%b3%e4%bd%9c%e6%88%90%e3%82%a2%e3%83%97%e3%83%aa-m/

サンプルプロジェクト

UE5 早期アクセスのショーケース プロジェクトである「古代の谷」がサンプルプロジェクトとしてダウンロード可能になりました。

「古代の谷 (Valley of the Ancient)」 は、 Unreal Engine 5 の早期アクセス機能を紹介する短編のゲームプレイ映像です。UE5 のアナウンストレーラー(このページのトップの動画)で使用されているものです。

【概要】

「古代の谷」では、次の内容が盛り込まれています。

  • Nanite と Lumen を使用してレンダリングされたハイエンドのビジュアル。
  • Megascans アセットのライブラリと新しいジオメトリ ツールで作成された広大なワールド。
  • 改良された Chaos Fracture ワークフローで作成された被破壊アセット。
  • レベル ファイルやアクタを整理するための新たなパラダイムにより、1 つのマップで多くのチーム メンバーによるコラボレーションが容易に。
  • フルボディ インバース キネマティクス (IK) とモーション ワープを用いた柔軟なリアルタイム アニメーションにより、キャラクターの動きをゲームプレイに合わせることが可能に。
  • ランタイム時にシステム全体をロード/アンロード可能なモジュール式ゲームプレイ システム。
  • 新しい Metasounds システムを使用して作成されたプロシージャルなサウンド エフェクト。
  • Quartz を使用してゲームプレイと音楽を同期させるダイナミックな音楽システム。

推奨システム スペック

このサンプルは特にグラフィックを多用しているため、安定したフレームレートで動作させるには高性能ビデオカードが必要です。また、Nanite および仮想テクスチャで、できる限り最高の結果を実現するためには読み取り速度が高速である必要があるため、高速 SSD にインストールすることが推奨されています。

最小システム スペック (50% Screen Percentage)は以下のようになります。

  • 12-core CPU at 3.4 GHz
  • 32 GB of system RAM
  • GeForce GTX 1080 / AMD RX Vega 64

また、プロジェクト100GBあるのでダウンロードして利用する際は注意をしてください。

ダウンロード

Unreal Engine 5 早期アクセス、サンプルプロジェクトともに Epic Games Launcher から可能です。

サンプルプロジェクトは上の画面から下にスクロールすると見えてきます。

Epic Games Launcher のダウンロードはこちらから


Unreal Engine 5 早期アクセス ウェブサイトへ

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