2021年4月13日(現地時間) Nekki は、物理ベースのキャラクターアニメーション用の3Dアニメーションソフトウェア Cascadeur の早期アクセス版を発表しました。
Cascadeurは最初のベータ版がリリースされてから2年以上が経過しましたが、この度、新たな段階に入り、アーリーアクセス版が利用できるようになりました。また、このリリースと同時に、ライセンスと価格が発表されています。
Cascadeurについて
Cascadeurは、物理ベースのキャラクター・アニメーション・ツールで、アニメーターは物理法則を適用してリアルな動きを作り出すことができます。
質量、慣性、回転力などの物理的変数を考慮することで、Cascadeurは、モーション・キャプチャーを使用することなく、少ない労力で、そしてユーザーが簡単に習得できる方法で、リアルなアクション・シーケンスを作成します。
さらに、AIベースのAutoPosingツールやAutoPhysicsツールなどの数々の機能により、キャラクターのポージングやアニメーションを簡素化することができます。
Cascadeurについては以下の記事もご覧ください。
以下の動画では、Cascadeurの主要な機能とツールが簡単に紹介されています。
Cascadeur 新機能(2021.1EA)
Cascadeurの新バージョンには、以下の新機能があります。
■Auto Physics
作成したアニメーションを分析して、物理的に正確なバージョンを提案する新しいツールです。キャラクターの完全なアニメーションシーケンスを分析し、物理的に正しい軌道に沿ってアニメーションを完全に自動修正します。
この機能の詳細はこちらから
■AutoPosing for Humanoids
この機能は、作成したいポーズを予測し、自動的に設定します。予測は、キャラクターのコントローラーを操作する方法に基づいて行われます。
現在、AutoPosingはヒューマノイドのCascadeurリグで動作します。このリグは、ほとんどのヒューマノイドキャラクターに適用できます。
Nekkiは、上記の 2 つのツール Auto Physics と AutoPosing を合わせて、「Deep Physics」と呼び、技術の基盤となると説明しています。これにより、一貫性のないキャラクターの動きのシーケンスを後処理するという面倒なプロセスが大幅に短縮されます。
■Scene Linking Tool
複数のキャラクターがいる単一のシーンがあると、システムに負担がかかる可能性があります。この問題を回避するために、2つ以上のシーンをリンクするオプションが追加されました。これにより、パフォーマンスにほとんど影響を与えることなく、1つのビューポート ウィンドウで複数のシーンを表示できるようになります。
■ジョイントの制限が解除
128の制限が解除され、任意の数のジョイントを持つキャラクタを使用できるようになりました。
■新しいサンプルキャラクタ
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価格
ホビーアニメーター、フリーランサー、年収10万ドル未満の企業は、Cascadeur(Basic Edition)を完全に無料でダウンロードして使用することができます。Basic Editionはアニメーションのエクスポート機能や、Scene linking toolが使用できないなどいくつかの制限があるようです。
売上高やサポートニーズの高い企業向けには、年間 300 ドルと 1,000 ドルの Pro と Business のサブスクリプションを提供しています。
価格、エディションによる機能比較の確認はこちらから
アーリーアクセス特別オファー
アーリーアクセス特別オファーとして、サブスクリプション価格が 50% 引き下げられます(期間は未定)。つまりアーリーアダプターの実質的な価格は、年間150ドル(Pro版)、500ドル(Business版)となります。
また、多くのベータテスターから寄せられた安価な永久ライセンスの要望も反映され、初年度の延長を断念した年間契約者は、インストールしたバージョンを永久ライセンスとして引き続き使用することができます。
今後の予定
今回のリリースは、CG・VFX業界から7万人以上のユーザーが参加した2年間のベータ版に続くもので、現在のアーリーアクセス版でもCascadeurの開発は完了していません。
ロードマップによると、開発者は次の四半期中にも多く機能を追加する予定で、例えば、ループアニメーションのサポート、高度なカスタムリギング、Pythonスクリプトなどで、リグの作成を簡素化し、様々なアニメーションタスクの自動化を可能にする機能が予定されています。
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