2021年4月7日 F12は、Blender用3Dツリー成長アドオンの最新アップデート The Grove Release 10 をリリースしました。
The Grove Release 10 新機能
今回のリリースでは、樹木の生理学の中でも最もとらえどころのない3つの分野を解明することができたことから、木の成長が根本的に改善されているということです。また、木の枝を描くように追加することができる機能や新しいラジアルツールインターフェイスが追加されています。
DRAW
木の枝を描くように追加することができるようになりました。どの位置から描いても、新しい枝を育てることができるので、曲がりくねった枝を描いたり、隙間を埋めたりするのに使用できたり、木全体をすべて描くように作成することができます。
Release time – the big number 10! I’ll see your drawing and raise you a tree! You can now grow more extreme trees than ever before. Add to that a shiny new interface, waiting for you to take it for a spin! Come see all the new features at https://t.co/rVcphGo3CD pic.twitter.com/BlwaLpIMXz
— The Grove 3D (@thegrove3d) April 6, 2021
描いた絵と自然の成長を組み合わせた場合、描いた枝が成長を続けると落とされてしまうことがあるので注意が必要です。Auto Pruneは、無効にしておいたほうがいいかもしれないということです。
RADIAL TOOL INTERFACE
描く、曲げる、刈るなどの各ツールは、マウスやペン、タッチスクリーンでも動作するウィジェットで使用できます。
すべてが放射状に配置されており、スライダーはダイアル状になっています。ダイアルは、ステップごとに回転させることができ、外側のリングでより正確な入力が可能です。
PLANT
ビューポートUIは、通常のインターフェイスを乱すことなくオプションを追加できる美しい方法です。これにより、さまざまなパターンで木を植えるためのツールが追加されました。
多幹の木の塊、リング、果樹園や生け垣、自然な分布を持つ木の島のパッチなどを素早く、インタラクティブに、植えることができます。
TURNTABLE WIDGET
ターンテーブル・ウィジェットによりズーム、パン、ローテーションといった面倒な操作を軽減することができます。ターンテーブルは、目の高さに合わせて表示されるので、実際の生活と同じように木を見ることができます。ホイールを回すと回転し、中心に向かって移動するとズームインします。マウスやペン、はタッチスクリーン上で指を動かすだけで、他のウィジェットと同様、キーボードは必要ありません。
シミュレーションの改善
「Sapwood」パラメータをはじめとするいくつかの理論が導入され、さらにリリース9では「artificial Boost」パラメータが追加されていましたが、様々な問題を引き起こすことから、削除されました。
「Join Branches」はそのままですが、「Deadwood」を混ぜることができるようになりました。小さな小枝や大きな枝が枯れたとき、それを支えていた木の一部も枯れてしまいます。この一緒に枯れてしまう木の一部のことを「Deadwood」といいます。
この「deadwood 」のおかげで余剰面積を適切に計算できるようになり、これをきっかけに、木の生理現象の中でも最もわかりにくいとされる「反応木」、「再生枝の追加」、「老朽化した枝の除去」の3つが飛躍的に改善されたということです。
風のアニメーション
風のアニメーションは、新しいビューポートインターフェイスを使用するインタラクティブなツールになりました。風のパラメータは、必要なときにのみ表示されるようになり、通常のインターフェイスがクリーンアップされます。
また、新しいベクトルウィジェットでは、風向と風力の両方を同時に自由に設定できます。さらに、いくつかの改善により、強風でのアニメーションの品質が向上しています。
IMPROVED SHADE CASTERS
木の葉は、できるだけ多くの太陽光を集めるために広がります。しかし、それは同時に下の葉に影を落とすことにもなります。光の奪い合いは木の成長の重要な要素であり、2本の木の間だけではなく、同じ木の枝の間でも同じように競い合います。
The Groveでは、レイトレーシングを用いて各枝先の光を計算していますが、葉の部分は、ハイポリの小枝ではなく、単純化された平面で表現されていました。水平方向の平面ではセルフシャドウを防ぎ、計算も高速となります。
これは上からの光に対しては有効でしたが、欠点があります。他の平面は側面からの光線には見えないため、木の葉が実際よりも影が少なくなるということです。
今回のリリースでは、葉の部分に depth を持たせることでそれを解決しています。セルフシャドウの問題を解決したことで、どんな形状でも使用できるようになっています。
これらの改善は、「シェード」パネルの小さな目のアイコンをクリックして、シェードプレビューを有効にすることで、インタラクティブにテストすることができます。
他にもアップデートやバグ修正などが行われています。
すべてのアップデート内容の確認はこちらから
[9/24更新]The Grove Release 10a 新機能
この最新リリースは中間アップデートとなり、 Blender 2.93.4 リリースと次期 Blender 3.0 ベータ版のいくつかの問題の修正、スピードアップが行われています。また、新しい小枝(twig)が追加されています。
スピードアップ
このリリースでは、20秒かかっていたシミュレーション時間が15秒に短縮されるようになります。シミュレーションが複雑になるほどスピードアップの効果が高くなります。
修正点
- 風のアニメーションオペレーターのアニメーション再生がクラッシュすることがある問題を修正。
- Blender 3.0alphaのPythonAPIに小さな変更を加えると、bend演算子でエラーが発生する問題が修正。
- 特定の極端なパラメータで数学領域エラーが発生し、成長力がマイナスになることがある問題が修正
- Groveのgrowボタンは非常にユニークなものです。シミュレーションを実行した後、ボタンがフォーカスを失い、うまく動かなくなります。フォーカスを取り戻すためには、マウスを動かすか、動作させるために余分なクリックをしなければなりませんでした。今回、コードの中でマウスの動きを偽装したことで、ようやく期待通りの動作をするようになりました。
Twigの追加
11本の新しい小枝(Twig)が追加されました。このセットアップでは、より深い緑とより深い光沢を表現することができます。表面の法線、半透明、拡散色を、すべての指向性光と反射光をフィルタリングして表現します。
新しい小枝では、プリンシプルシェーダノードの粗さを変えるだけで、葉の濡れ具合をコントロールすることができます。色についても同様で、Hue / Saturation / Valueノードを追加することで簡単に変更できます。また、鏡面反射光を完全に遮断することで、孤立した拡散色や半透明の色だけを柔軟に変更することもできます。
新しい小枝には「 lush(青々とした)」というタグがついています。新しい小枝の確認はこちらから
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