2021年3月1日(現地時間)OTOYは、リアルタイムGPUメッシュスカルプトとアニメーションツールセット Sculptron 1.0 をリリースしました。
また、同時にWacomとのパートナーシップの提携を発表しており、Wacom Cintiq Pro か MobileStudio Pro を購入した方は、3ヶ月間無料でSculptron ご利用することができるようになるようです。
これにより、EmberGenFX、World Creator、RNDRを含む成長を続けるOctaneRenderのエコシステムに新しいツールが追加されたことになります。
Sculptronとは
Sculptronは、ZBrushのような静的なモデルを編集するためのものではなく、3Dアニメーションを扱うことを主な目的としたGPUベースのスカルプトアニメートアプリケーションです。新しいデフォーマとアニメーション機能の強力なセットとともに、アニメーションワークフローにメッシュスカルプトをネイティブに導入し、他の3Dアニメーションツールと比較しても高いパフォーマンスとスピードを実現します。
Sculptronを使用すると、特にアニメーション化されたスカルプトレイヤーとエフェクトを組み合わせる場合には、大量のポリゴン(サブパッチではなく、500K以上の純粋なポリゴンで構成されたキャラクターのようなもの)で変形を使用して、高速にシーンやオブジェクトをアニメーション化することができます。
Sculptronについてはアルファがリリースされたときに以下の記事でも紹介していますので、興味がある方は、ぜひご覧ください。

https://cginterest.com/2020/04/28/otoy%e3%80%81octanerender-2020-1-%e3%81%a8-rndr-network-%e3%82%92%e3%83%aa%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b9%ef%bc%81/#toc3
Sculptron 1.0 の新機能
このリリースでは、今後様々な機能を実装するために大幅に再設計されており、多くの改善があります。
■新しいアウトライナーと新しいシーングラフ
新しいアウトライナーと新しいシーングラフは、Sculptronのシーン管理を改善し、アイテムの選択(および複数選択)、親、リスト内の順序の変更が可能になりました。例えば、任意のアイテムをマウスの右ボタンでクリックすると、追加オプション(削除、階層選択、階層の折りたたみ/拡大)が表示されます。アウトライナーは、モディファイアスタックが存在し、管理することができる場所でもあります。エフェクトやスカルプトレイヤーを「親」にしたり、順番を変更したり、結果のメッシュ変形をリアルタイムで確認することができます。
■オブジェクトトランスフォームとアトリビュート(アニメーション可能)
オブジェクトトランスフォームとアトリビュート(アニメーション可能)では、シーン内のアイテムトランスフォームと任意のアトリビュートをアニメーションさせることができ、任意のプロパティをアニメーションさせることができます。また、相対的なアニメーショントラックは、アニメーションエディタでも利用可能になります。
■モディファイアスタックとデフォーマ
この新バージョンでは、モディファイヤースタックが導入されました。アーティストは複数のデフォーマを順番に組み合わせ、最終的な結果をデフォルメされたメッシュ上でリアルタイムに確認することができます。MDDキャッシュ(複数でも可)、Sculpt Layers、Linear Deformersに加え、Transform Effectのようなモディファイアを組み合わせることが可能です。利用可能なデフォーマの数は、今後どんどん増えていく予定ということです。
■新しい環境アイテムとPBR環境シェーディング

- Camera アニメーション用のカメラ
- 新しい Noise Generator では、ノイズの位置、回転、スケールをアニメーション化することができます。
- Image Mapを使用して、ボリューム内のイメージテクスチャをマップすることができます。
- Tangent Space Sculpting では、オブジェクトからタンジェントスペースへの変換を行ってスカルプティングを行うことができます。
- DeltaMushは、ポリゴンメッシュの任意の変形を、モデルの元のディテールをスムージングすることなくスムージングするデフォーマです。Delta Mushは、こまかなチューニングを必要とせず、モデルやリグの変更にも簡単に対応できます。
- Unified Transform Gizmoでは、オブジェクト、親、またはワールドアクションセンターを使用して、単軸および平面上のアイテムのスケール、翻訳、回転を行うことができます。
- シーン設定(アイテムのグループ化、デフォーマのリファレンスなど)に使用できるNullオブジェクトが追加されました。いくつかのシェイプとオプションを追加し、完全なカスタマイズが可能になりました。
- ポリゴン数の多いHigh Density PrimitivesをStarter Objectsメニューからシーンに追加できるようになりました。
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