Corona Renderer 6 for Cinema 4D
Chaos Czechは、8月25日(現地時間)Cinema 4D用のレンダリングソフトウェアの最新アップデート Corona Renderer 6 をリリースしました。
このリリースではよりリアリズムを実現し、よりクリエイティブになるためのツールを提供することに重点が置かれているということです。
主な新機能
新しいSkyモデル
太陽が地平線より下にある場合、-2.85度(または地平線より下の太陽直径約5.4度)まで正確に空を照らし続け、夜明けや夕焼け時の表現を可能にします。昼間のシーンでも、照明の緑が少なくなり、これまでで最高のプロシージャル環境の照明が得られるようになりました。
以前と同じように、新しいスカイモデルは複数のSunとSkyで動作するので、LightMixに統合して1つのレンダリングで1日の複数の時間を取得することができます。複数の太陽を持つ複数のプロシージャルスカイ(新モデルまたは旧モデル)を使用する場合、各スカイを特定の太陽に接続することができます。
太陽の turbidity(濁度)は、その太陽にリンクしているコロナスカイから取得されます。空のturbidity(濁度)は新しい空モデルではまだサポートされていませんが、このモデルの次のイテレーションで追加される予定ということです。
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ランダム化されたテクスチャのタイル化
シームレスなテクスチャであっても、サーフェイス全体に何度も繰り返すと、明らかなパターンが現れます。UvwRandomizerには、このような見た目を避けるためのランダムタイリング機能があり、変位やバンプを含むすべてのシェーダに対応しています。これを動作させるためには、オブジェクトが正しいUVWマッピングを持っている必要があります。(アンラップまたはUVWマップモディファイアを介して)。


UvwRandomizer は、ノイズシェーダのようなネイティブシェーダでも動作し、Cinema 4DテクスチャタグのUVスケーリングに対応しています。
また、高品質フィルタリングオプションもあり、結果として得られるブレンドの品質が大幅に向上しますが、特にタイル境界では、計算が遅くなります。これはデフォルトで有効になっています。
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新しいレンズ効果
V-Rayのレンズエフェクトのな機能を取り入れ、UIをシンプルにしてより多くのオプションと機能、シーンのブルームとグレアのルックをコントロールできるようになりました。
Distance Shader
新しいコロナ距離シェーダは、別のオブジェクトまでの距離に基づいてカラーグラデーションを生成します。また、距離がオブジェクトの内側にある場合にも検出することができます。さまざまな使い方ができる便利なシェーダで、次のような使用例が紹介されています。
- ボートの周りの変位、岩の周りの波紋など、オブジェクトの周りの水に使用でき、これは砂や地面にも適用できます。
- 窓辺の下のコンクリートの壁を汚したり、岩の下の泥をより湿った状態にしたりするなど、2 つのオブジェクトが重なるところに汚れ、ノイズ、腐食、磨耗を追加します。
- オブジェクトが別のオブジェクトに近づくと光り始めたり、オブジェクトを通すために開いた「force field」など、さまざまな VFX エフェクトが可能です。
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VFB の Cinema 4D 色空間
スクリーン上でレンダリングを見るたびに、レンダリングに含まれるハイダイナミックレンジのデータは、色空間を介して解釈され、モニターが表示できるRGBレンジに変換されます。Cinema 4Dのピクチャービューアには独自のカラースペースがあるため、Corona VFBで表示されるものは、ピクチャービューアで表示されるものとは少し異なります。つまり、ピクチャビューアから保存したものが VFB で慎重に設定したものとは異なるという問題が発生します。
この問題を解決するために、VFBでは、デフォルトでピクチャ ビューアと同じカラースペースが使用されるようになりました。このため、既存のシーンをレンダリングした場合、VFBとVFBから保存した場合では、レンダリング結果が若干異なる場合があります。
Corona Renderer の環境設定には、既存のシーンに対して同じ出力を再現したい場合に無効にできるチェックボックスがあります。このチェックボックスは、レンダリングが完了した後でもいつでもオン/オフを切り替えることができるので、使用するカラースペースが変わっても再レンダリングする必要はありません。
[Use Cinema 4D color space]チェックボックスを有効にすると、VFBからの保存時に、選択したファイルタイプのオプションにアクセスできるようになります(JPG圧縮、PNGアルファなど)。
新しいアダプティブ環境サンプラー
この新しいアダプティブ環境サンプラーは、ポータルを使用する場合よりも正確であるため、ポータルが使用されていた以前のバージョンのシーンの照明とシャドウにいくつかの変更が見られる場合があります。ノイズはインテリアシーンでより速くクリーンアップされる可能性があるため、よりリアルな結果が得られ、レンダリング時間が節約できます。これはV-Rayのテクノロジーをベースにしています。
ポータルはCorona Rendererから完全に削除されているため、Corona Renderer 6より前のシーンをレンダリングすると、ポータルは無視され、安全に削除することができます。
ノードエディタの改善
Corona Renderer for Cinema 4D のノードエディタは、ネイティブのC4Dのノードとは全く異なるアプローチで独自に作られています。
ベースとなる Corona Shared Shader は、ノードエディタの機能性の核となっており、1つのシェーダが多くのマテリアルに接続したり、1つのマテリアルの多くの入力に接続したりすることができます
(注意:新しいノードシステムでは、異なるフォーマットでデータが保存されるため、Corona Renderer 6 を使用してシーンを保存すると、以前のバージョンの Corona Renderer ではロードして使用することができません。)
【改善内容】
- 安定性の向上(クラッシュ、ビューポートとVFBでマテリアルのレンダリングが異なる、ノードシステムの一部が更新されないなどの修正。
- 共有シェーダを持つマテリアルは、Cinema 4D Content Browserとの間で正しく保存およびロードされるようになりました。
- ノードの接続/切断時に、ノードの並び替えが視覚的に行われるように修正。
- ノードエディタで “Add existing… “メニューで再帰的な接続を作成するとクラッシュすることがあったのを修正。
- シェーダを切断した後、空のスロットがレイヤシェーダから削除されるようになりました。
- マウスドラッグ中に一度開いたポートグループから同じグループにシェーダを再接続する際に発生する問題やクラッシュを修正。
- Cinema 4D Texture Managerでは、ノードシステム内で使用されるすべてのビットマップが表示されるようになりました。
反射と屈折の新しいマスキングオプション
マスキングレンダリング要素は、屈折/反射を通して伝播できるようになりました。透過させるには、マテリアルで設定する必要があります(Corona Mtl -> advanced -> propagate masks)。下の例では、新しい「Always」マスクを伝播させるオプションと、反射と屈折でマスクを伝播させない旧方式との比較を見ることができます。マスクは、ポストで葉っぱ、本、鏡のフレームの色相を調整するために使用されました。
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Corona Renderer 6 for 3ds Max
Chaos Czechは、8月31日(現地時間)3ds Max用のレンダリングソフトウェアの最新アップデート Corona Renderer 6 をリリースしました。
先にリリースされたCinema4D版とほぼ同じ機能が追加されていますので、3ds Max版固有の追加機能だけ紹介したいと思います。
主な新機能
Material Library のアップデート
- 新カテゴリー「Flooring(フローリング)」に15のマテリアルを追加。
- 新カテゴリー「Carpet(カーペット)」に19種類のマテリアルを追加。
- 新カテゴリー「Ceramic Tiles(セラミックタイル)」に31種類のマテリアルを追加。
- 「Concrete(コンクリート)」カテゴリに13種類のマテリアルを追加。
Phoenix FD Foam のサポート
Phoenix FD の foamは、Corona Renderer を使用してレンダリングできるようになりました。これには、モーションブラー、フォーム用のレンダリングマスク、およびベロシティなどのレンダリング要素のサポートが含まれます。
サポートされていない機能の既知の制限に関する記事はこちらから確認できます。
Corona Renderer 6 for Cinema 4D&3ds Max のダウンロードはこちらから
デモの更新:以前のバージョンのCorona Rendererを試して45日間の試用期間が終了した場合でも、デモ期間が自動的に更新されて、全員にさらに14日間の試用期間が与えられています。
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