Unityは6月9日、Unity 2019 LTS のリリースを発表しました。
これは、2019.3 TECH ストリームリリースをベースに安定性の向上のための修正がされてたものであり、Unityの最新の長期サポートリリースとなります。Unity 2019.4 LTSとも表記されています。

Unity の LTS リリースについて
LTS では新機能、API の変更、機能強化には重きをおかず、製品の安定性向上を目的とした不具合の修正やユーザビリティのアップグレードを重視します。。新機能は提供しない形で 2019 年の TECH ストリームを継続するバージョンという位置づけとなります。
LTS と選択可能なTECH ストリームリリースにより、開発サイクルの段階に応じて自分のニーズに最適なリリースを選択することが可能です。Unity 2019.4 LTS には、プロトタイピングの段階を過ぎたプロジェクトに着手予定のクリエイター向けに安定性の高い高品質の機能が搭載されており、2 年間のサポートも付いています。
またUnity は現在、ユーザーの開発プロセスを改善するためのコミットメントの一環として、LTS をプラットフォームのデフォルトバージョンとして提供する方向に移行しています。それに併せて、プラットフォームをより安定して使用できるようにするために、年間のリリース回数も少なくすることが発表されています。これにより、機能の更新に伴ってメジャーバージョンがリリースされ、リリースの間にツールの安定性と品質の検証と改善に必要な安定化フェーズをより長く取ることが可能になるので、アップグレードの必要が生じるケースが少なくなります。
Unity 2019 LTS ハイライト
2019.3 TECH ストリームリリースをベースにされていますので、機能は以前にもまとめた内容と同じかと思いますが、新しくハイライト動画が公開されていますので改めて紹介します。
グラフィックス
ハイエンドハードウェア(PC、コンソール、今後発売予定のハードウェア)で美しい高忠実度のグラフィックスを実現するために、HD レンダーパイプライン(HDRP)の正式版がリリースされました。これは、すでに HDRP を使って作業中のユーザーに対して安定したアップグレードパスを提供します。
スクリプティング
Unity のデフォルトコードエディターは Visual Studio 2019 になり、IDE サポートはパッケージに移動しました。また、この LTS リリースでは、プレイヤーディーププロファイリングやコールスタックサポートなど、プロファイリング関連の機能が大幅に向上しています。Unity 2019 LTS の Burst コンパイラーはコンパイルするプラットフォームに合わせて出力を最適化するため、パフォーマンスを大きく高めることができます。Burst コンパイラー 1.3 には、ネイティブデバッグが備わり、スケーラビリティや使用性も改良されています。.NET 4.x がデフォルトのスクリプティングランタイムになり、インクリメンタルガベージコレクション によってガベージコレクションによるスパイクを最小限に抑えます。また、スクリプティングワークフローにも日々の開発の利便性を向上させる改善が加えられており、イテレーション時間を削減し、生産性を高められます。
アーティストとデザイナー向けのツール
視覚的にシェーダーを作成するのに利用できるソリューションであるシェーダーグラフと互換性のある Visual Effect Graph を使うと、コーディングなしで美しい VFX をリアルタイムに作成できます。Unity 2019 では、改善された新しいTerrain ツール、そして 3D モデリングとレベルデザインツールを独自にハイブリッドした ProBuilder により、Unity Editor 内でさらに多くの作業を行えるようになっています。
エディターのアップデート
アイコン、フォント、そしてユーザーフィードバックシステムのアップデートにより、エディター UI のルックアンドフィールが刷新されました。Unity 2019 LTS ではエディターの明瞭性が向上されており、クリエーターがコンテンツ作成に集中しやすくなります。Unity 2018 LTS 以降、インスペクターでのプレハブアセット編集、Quick Search、プリセット、ショートカットマネージャーなど、ワークフローにさまざまな改善が加えられており、エディターでの生産性をさら高められるようになっています。
プラットフォーム
モバイルグラフィックスおよびパフォーマンスをプッシュすることが目的のモバイル開発者向けに、Unity 2019 LTS には、オンデマンドレンダリング、Adaptive Performance、強化された OpenGL サポートなどの改良が盛り込まれています。 2019 年、Unity は拡張現実(AR)そしてバーチャルリアリティ(VR)の開発者向けのさまざまなツールを追加し、その性能を向上させています。マルチプラットフォーム AR 開発用のフレームワークである AR Foundation では、アプリ一度ビルドするだけで ARKit、ARCore、Magic Leap そして HoloLens プラットフォームにデプロイでき、VR 用の HD レンダーパイプライン(HDRP)を使えば、パフォーマンスを犠牲にすることなく高忠実度を保ったまま、VR 体験をより高いレベルに押し上げることができます。
Unity 2020 のリリース計画3d
数週間後には、今年最初の TECH ストリームでのリリースである Unity 2020.1 の公開が予定されているということです。これまでのリリースで紹介した機能に、さらに多くのユーザビリティに関する改良点と安定化したワークフローが提供されます。
Unity 2020.1 Betaに関する情報を以下の記事で確認することができます。

Unity 2019.4 LTSのの完全なアップデートリストはこちら(リリースノート)
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