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Khronos Group が Vulkan Ray Tracing をリリース

ニュース

現地時間3月17日、Khronos Group は Vulkan Ray Tracing をリリースしました。

Khronos Group (クロノスグループ)とは

Khronos Groupは2000年に設立された、150を超える企業で構成される非営利の共同事業体コンソーシアム)です。3Dグラフィックス、拡張・仮想現実、並列プログラミング、ビジョンアクセラレーション、機械学習向けの、高度なロイヤリティフリーの相互運用性標準を作成しています。

Vulkanとは

Vulkanは、米サンフランシスコで2016年3月16日開催のゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC)2016に合わせてリリースされました

最先端のエンジン、最先端のゲーム、要求の厳しいアプリケーションで広く採用されている、最新のGPUへの高効率なクロスプラットフォームアクセスのためのオープンでロイヤリティフリーのAPIです。Windows、Linux PC、コンソール、クラウドから、携帯電話や組み込みプラットフォームまで、さまざまなデバイスでサポートされています。

特徴

Vulkanは直接GPUへアクセスできる構造によって無駄を省き、今までのローレベルグラフィックスAPIと比較するとより速い描画が可能です。並列処理の効率化、同期処理が不必要という特徴から、CPUの負荷が格段に軽減され、描画のパフォーマンス向上に繋がります。

Vulkan Ray Tracing(レイトレーシング)

レイトレーシングは、光線がシーンジオメトリ、マテリアル、光源と交差して相互作用し、写実的な画像を生成する方法をリアルにシミュレートするレンダリング手法です。映画やその他のプロダクションレンダリングで広く使用されており、リアルタイムアプリケーションやゲームで実用化され始めています。

Vulkanレイトレーシングは、レイトレーシングフレームワークをVulkan APIにシームレスに統合し、ラスタライゼーションとレイトレーシングアクセラレーションの融合を可能にします。 また、ハードウェアに依存しないように設計されているため、既存のGPUコンピューティングコアと利用可能な場合は専用のレイトレーシングコアの両方で高速化できます。

DXRとOptiXの代替手段

リアルタイムの作業では、APIはMicrosoftのDXR(DirectX 12レイトレーシング)であり、Unreal EngineやUnityなどのゲームエンジンのハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング機能に使用されています。Chaos GroupのProject LavinaもDXRが使用されています。

オフライン作業では、ほとんどがNvidiaのOptiX APIが使用されており、これよって、V-Ray、OctaneRenderなどのレンダラーのハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングが強化されています。

DirectX 12はAMDとNvidiaの両方のGPUでサポートされていますが、そもそもMacOSはDirectXをサポートしておらず、Windowsのみです。一方、OptiXはOSに制限はありませんが、NvidiaがOptiX開発に必要なCUDAツールキットのmacOSサポートを廃止しています。

以上のことを考慮すると、新しいVulkan Ray Tracing拡張機能は、Windows、macOS、LinuxのどのメーカーのGPUでも動作するハードウェアアクセラレーションされたレイトレーシングシステムの重要な第一歩となります。

KhronosのVulkan Ray Tracingタスクサブグループの議長は、次のように述べています。

「Vulkan Ray Tracingの全体的なアーキテクチャは、既存のプロプライエタリなレイトレーシングAPIのユーザーにも馴染みやすく、既存のレイトレーシングコンテンツを簡単に移植することができます。」

拡張機能は現在のところ「暫定的」とされており、現時点ではハードウェアアクセラレーションされたレイトレーシングをサポートするバージョンのVulkan SDKは存在しないが、規格自体は批准されています。

Vulkan Ray Tracing暫定仕様への業界の声

●AMDのソフトウェア開発担当シニアバイスプレジデント、Andrej Zdravkovic氏

「Vulkanでレイトレーシングを標準化することは、幅広いデバイスでレイトレーシングを利用できるようにするための重要なステップであり、開発者がこの技術を最大限に活用できるようにするためのものです。AMDは、レイシェーディング、レイクエリ、CPUアクセラレーション構造の管理など、この拡張機能の主要な機能のすべてをサポートする予定です。私たちは、開発者の皆様と協力して、Vulkan Ray Tracingの実装による優れたパフォーマンスを確保していきます。これらの取り組みにより、エンドユーザーの皆様に、AMD Radeon™ GPU上でさらに視覚的に素晴らしいグラフィックスを提供できるようになります。」

●Epic Gamesのレンダリングエンジニア Yuriy O’Donnell氏

「Epic Gamesは当初からVulkan Ray Tracingグループの積極的なメンバーであり、レイトレーシング拡張機能が公開されたことを嬉しく思っています。Epic Gamesは、エンドユーザーの体験を向上させるためのオープンスタンダードを作成するKhronosの取り組みを心からサポートしています。」

●NVIDIAのリサーチディレクターであるMorgan McGuire氏

「NVIDIAは、Vulkanの暫定的な標準化されたレイトレーシング機能をサポートしたベータドライバを本日出荷しました。レイトレーシングの高速化をVulkanのクロスプラットフォーム、オープンスタンダードAPIにもたらすことは、リアルタイムゲームとアプリケーションのための最高品質のビジュアルリアリズムをあらゆる場所で可能にするためのもう一つの重要な一歩です。」

●OTOYのCEO、Jules Urbach氏

「ハードウェアレイトレーシングのサポートがVulkanに組み込まれたことに非常に興奮しています。Vulkan Ray Tracingのおかげで、ハイエンドのレンダリングソリューションを研究することができるだけでなく、サポートしているすべてのベンダーやプラットフォームを最小限のオーバーヘッドでサポートすることができます。」


Khronos Group Releases Vulkan Ray Tracing (khronosニュース)

Ray Tracing In Vulkan (khronosブログ)

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