Pixologicは、ZBrush Summit 2019で開発中の新機能を公開しました。*追記あり!2019年11/6
リリース日の発表はなかったので、おそらく来年の ZBrush 2020 のアップデート内容となることが予想されます。
以下が開発中の新機能の一覧です。
イベントで公開された開発中の新機能
イベントで公開された開発中の新機能を確認していきます。
Xtractor と Xtractor Drag Rect
Xtractor と Xtractor Drag Rectは、新しいブラシで、主にモデルの細部を複製することを目的としているブラシです。ZBrushSummit のデモでは魚の鱗やエイリアンの頭部の細部を複製していました。
Undo履歴のある地点の記録と今のメッシュを比較し、ブラシでなぞった部分の表面ジオメトリ変化からアルファを生成します。
また、このブラシはテクスチャのRGBカラー情報を取得し、使用することもできるようです。
HistoryRecall
HistoryRecallを使用すると、モデルの一部を以前の状態に戻すことができます。
ユーザーはUndo履歴からモデル全体の状態を選択し、その状態を現在のモデルにペイントできます。
魚のモデルを用いたデモでは、HistoryRecalブラシを用いて部分的に鱗がない状態にもどしています。
また、このブラシは衣服をキャラクターに密着させる場合でも使用することができます。
体のサブツールを元に戻す状態として保存し、その状態を衣服にペイントすることにより、衣服をキャラクターに密着する方向に移動させることができます。
ZBrushによると、ワークフローを使用して、別のシーンのモデルを現在作業中のシーンに投影することも可能です。
Draw Draft Analysis
Draft Analysis は日本語では抜き勾配分析といい、プラスチック部品や金型の製造で使用されます。金型から成形品を取り出す時に問題がないかを解析するもので、CADソフトなどに搭載されています。
ZBrushでも同様に、射出成形中に問題を引き起こすモデルの部分を特定できるようになっています。
トランスフォームパレットのドラフト解析の描画ボタンをクリックしてターゲット角度を設定すると、緑色で正しく分離される部分を表示します。
引っ張り方向に平行な部分は黄色で表示され、アンダーカットは赤で表示されます。
ディスプレイはリアルタイムで更新されるので、モデルを編集ながら状態を確認し、問題を解決することができます。
Adjust Color と Mask by Color
Adjust Color はポリペイントされたモデルの色を調整する機能です。
Polypaint Color Utilities パレットの Adjust Color をクリックすると、プレビューウィンドウが表示され、選択した色の色相、彩度、コントラストを調整できます。
Mask by Color はその名の通り、色によってマスク範囲を指定する機能です。
こちらもプレビューウィンドウが表示され、モデルから複数の色を選択して、マスク範囲を調節することができます。
Morph UV
Morph UV はモデルを展開し、フラットで歪みのない表面で直接作業できるようにする機能です。
動画内では、Morph UVを使用してテクスチャの転写と衣服の縫い目をスカルプトをしていました。
例えば、以下のような衣服の脇部分を一筆書きでスカルプトするのは難しいですが、
Morph UV でフラット化すると、以下のように複雑なモデルの表面に長いストロークを作成することができるようになります。
CamView
CamViewは、ビューポートの右上にある表示され、モデルの回転、または上下左右のビューの切り替えに使用できます。サイズを自由に変更したり、自分で作成したモデルを読み込んで使用するなどのカスタマイズもできます。
Z Zoo
Z Zoo とは動物のスカルプトの際に使用できるZSphereのライブラリのことです。
虫から恐竜まで、すでに幅広く多くの動物が作成されているようです。
以上、見落としがあるかもしれませんが、ざっと確認できた新機能をまとめてみました。今回のプレゼンで触れられなかった開発中の機能もあり、期待できる内容となっています。
以下は、Joseph Drust氏 と Solomon Blai氏によるプレゼン動画です。
ZBrushの購入や情報の確認は Pixologic ウェブサイトへ
<追記>
正式にリリース日と新機能の発表がされました。以下の記事を御覧ください!
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